石の遷り変わりと鉄分〔5549〕2018/06/25
2018年6月25日(月)快晴!
とはいえ。
汽車に乗るのが好きだとはいえ、片道6時間半日帰り汽車の旅には、結構こたやかされました。まあ、帰りの汽車でビール飲んでおつまみ食べて、というのが身体に負担を掛けたんだとは、思う。夜、10時前に高知駅に到着したときには、身体が鉛のように重い、という表現が完全に理解できるような、そんな感じ。
なので、家に帰って風呂に入って爆睡。もちろん、ワールドカップがどうなったのかは知るよしもない。朝、4時半に起きてスマホ見るまで。
今朝は良く晴れました。夏空が広がる月曜日。月曜がこんなお天気だと、今週頑張るぞ!てな気分になる。なりませんか?
いつもの野市、上岡八幡宮境内にも、樹々の間から夏の日差しが差し込んできて美しい。手前は完成したばかりの手水舎。この手水舎をご寄進頂いた宮原さんの名前が刻まれた石柱が、まぶしい。宮原さん、ありがとうございます。
こういった石柱に利用される石、現代では、ほとんどが花崗岩ですよね。加工のしやすさと硬さのバランスが良いのでありましょう。見た目も美しいし。地球の、陸上プレートを形成する花崗岩は、もっともありふれた岩石かも知れません。で、出来上がり方にも幾種類もあり、色も模様も様々。でも、見たら、なんとなく花崗岩とわかります。
石といえば、昨日は、日本海側から中国山地を抜け、瀬戸内海を渡り、領家帯から中央構造線、三波川変成帯などを通って戻ってくる汽車の旅でした。車で行くと運転するのであんまり風景を楽しめませんが、汽車であれば鑑賞し放題。
概ね、川沿いに汽車は走るので、川の石の移り変わりを見ているだけでも飽きません。それは、白っぽい花崗岩であったり、緑色片岩であったり、チャートであったり、砂岩であったり。
人工的な風景でも、その土地土地の特徴があって面白い。
特に、瓦。特急やくもに乗って車窓から外を眺めていると、赤茶色の瓦屋根が目につきます。鮮やかな赤茶色。あんなの、高知では見ること、ない。石州瓦という、石見地方で製造される瓦で、中国地方、特に日本海側とかに多いらしいですね。
日本海側の雪が多い冬なんぞ、あの赤い色が、生活に温もりを与えてくれるのかもしれません。で、何故赤いのか。
そりゃあ鉄分が多い土を使ってるんだろう、と思って調べてみました。
石州瓦が赤いのは、その釉薬に「来待石」を使っているから。その「来待石」は、鉄を多く含むのが特徴。その「来待石」は凝灰岩質砂岩で、鉄分が多いのであります。
それを釉薬に使った釉薬瓦、石州瓦は、釉薬瓦の全国シェア20%を誇るんだそう。太平洋側に暮らしていると、あまりお目にかかることのない赤い釉薬瓦は、雪の降る地方とかでは定番の瓦なんですな。日本は広い。その気候風土、地質によって、それぞれの文化が育まれている。
四国の中だけでも、それぞれのお城の石垣材質が、それぞれの土地の地質に由来したりしてますきんね。
鉄分が多い、赤茶色の瓦が並ぶ風景を、伯備線を走るやくも号から、鉄道の匂い、音、揺れを楽しみながら帰ってきました。
僕も、少し鉄分が多い。