おいしいものと、皆さんの努力〔5482〕2018/04/19
2018年4月19日(木)晴れ
澄んだ空。こないだうち、黄砂が飛んで来て霞んでいた高知の空も、青く冴え渡る。今日も初夏の陽気になりそうな、そんな空。
高知平野、香長平野の田んぼは、もう、すっかり田植えも終わって一息ついた感があります。農業用水の水路からは、清冽な流れの音が聞こえてくる。薄い緑の水面が広がる風景は、とても美しいですね。大自然、ではなくて、人類の営みとしての美しい風景。
写真は、今朝6時前の、会社の西側。美しい水田が広がる、南国市物部。
イネというのは、C3植物。カルビン・ベンソン回路という、地球上の植物としては一番一般的な光合成回路のみで、二酸化炭素を酸素に変える植物が、C3植物。
で、人類の祖先が猿から分岐した700万年前くらいから劇的に増えたのが、C4植物。カルビン・ベンソン回路以外の、維管束とかにある回路でも光合成ができる植物が、C4植物。
700万年前頃に、地球の二酸化炭素濃度が下がり、それに対応する為に、複数の光合成回路を持つC4植物が勢力を伸ばしたのではないか、という説も、あります。
C4植物は、だから、乾燥とか高温に、強い。同じイネ科でも、トウモロコシ、サトウキビ、アワ、ヒエなどなどが、C4植物。おう。焼畑だ。
こういった植物が増えたことと、人類が猿から分岐して進化していった歴史とは、関係ありそうに思いました。でも、ネットで調べても、あんましそんなこと書いてないけど。
C4植物だけだと、人口爆発に至ることはなかった訳ですが、それなりの進化には役立ったと思う。では、爆発的人口増加の一翼を担った穀物、イネやコムギはというと、C3植物。C4植物という簡易に育って強い、しかもエネルギー豊富な植物があってこそ、人類は進化した。その進化があって、C3植物をうまく手なづける技術を身につけ、イネやコムギを栽培して、人口の爆発的増加が促され、富の蓄積の中で、文明が始まり、今に至る。のかな?
田んぼの風景を見ると、ああ、C3植物を手なづけた人類の知恵と努力に、敬意を抱くのは、たぶん僕だけだと思います。
ともあれ、美しい春の田んぼ。これからどんどんと緑が濃ゆくなっていき、梅雨が終わる頃には黄金色になって、稲刈り。今朝も食べた、おいしいご飯は、この美しい風景の中のお百姓さんの努力によって、つくられたもの。感謝感謝。
左端に見えるトラックは、弊社の大阪便。昨日搾乳し、今朝殺菌充填したばかりの「乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」も、積み込まれてます。6時半には出発し、大阪には昼前。関東行きの荷物はそこで積み替えられ、今晩には、関東。明日の朝には、関東でも関西でも店頭に並ぶ牛乳が、あの左端のトラックに積み込まれているところ。
おいしいおいしい「乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」は、酪農家さんと、そして早朝から工場で働く皆さん、それを運ぶ皆さん、たくさんの皆さんの努力によって、つくられたもの。感謝感謝。