大月町の海と、幡多の酪農家〔5481〕2018/04/18
2018年4月18日(水)晴れ!
15年と、1日目。
今日は高知県の西の端、大月町。幡多地区の酪農家さんが、毎年やっている交流事業に参加するので、やって来ました。大月町の、赤泊という浜。大自然しか、ない。
ご承知の通り、酪農家さんの戸数は、この数十年で劇的に減ってきました。昔は高知県内だけでも数百軒の酪農家さんが居た訳ですが、今は遂に60軒を切ってしまった。戸数は、激減。でも、搾乳量は、それほど減った訳ではありません。もちろんピーク時に比べると少しは減っているけれど、戸数ほどの激減という訳では、ない。
それは、技術が進歩して一頭当たりの搾乳量が増えたのと、一軒当たりの飼養頭数が増えたことに、よります。
僕がこの仕事を始めた頃、年間8,000kgも牛乳を出す牛が居たら、それはなかなかすごい牛、ということになってました。今は、年間8,000kgは当たり前。まあ、平均がそれくらい。すごい乳牛になると、年間20,000kgから25,000kgの乳を出すと言います。それだけ改良が進み、技術も進歩した訳だ。
ちなみに全国の生乳生産量。僕が仕事を始めた頃は、約730万トンでした。日本全国で730万トン。
で、生産量のピークを迎えるのが1996年で、約860万トン。それから少しづつ減少を始め、このにっこりひまわりを始めた2003年の生産量は840万トン。まあ、ピーク時と、そうは変わってません。
ところがそれからは減少傾向が加速する。それには、輸入飼料の高騰など、酪農経営環境の悪化も要因となってました。
そして2016年の生産量は740万トン。
そう。僕が社会人になった30年ちょっと前の生乳生産量と、現在の生産量は、ほぼ同じ。酪農家戸数、飼養頭数は減ったけど。なるほど。そうか。あの頃と今が同じくらいの生産量か。
あと、販売価格。牛乳の価格も、この三十数年で変わりました。安くなったんですね。あの頃、高知のスーパーで、1リットルの紙パック牛乳、230円くらいでした。198円が出たら、大騒ぎ。覚えてますか?
色んな資材や、様々な費用が上昇したこの三十数年。牛乳は随分と安くなってしまいました。まあ、色んな合理化、効率化は進みましたが。
さて。
この幡多地区では、山地酪農というのが盛んに行われました。自然の山の地形をそのまま活かし、一年中放牧して育てるストレスフリーの、牛。ストレスフリーですが、搾り出される牛乳の量は、減る。酪農家経営にとっては、なかなかの問題であり、今は、色んな飼い方が混在しているのが、幡多地方の酪農でございます。
で、幡多は、高知県内でも、酪農地帯のひとつ。あまり知られてないけど。
その大切な地域の酪農家さんたちの、恒例の磯辺での交流会。情報交換をし、これからの幡多酪農について、考える。
この美しい大自然が育んだ乳牛と、その牛から搾られた牛乳が、美味しくない訳、ありません。
11時くらいから集まって、三々五々、浜へと貝を採りに行く。写真撮ったのは午後1時過ぎですが、まだ、帰ってこない方も、たくさん。この後、たくさんのアナゴ、トコブシを採って来たO夫婦。すごい。アナゴというのは、トコブシの少し小さいのね。Oさんの奥さんが持って来てくれた、自家製のお味噌と昨日採ってきたアサリとフノリでこさえた味噌汁も、絶品。
今、中村駅で、高知へ帰る汽車を待ってます。良い、春の1日。幡多の酪農の未来は、明るい。