秋葉信仰と防災〔5476〕2018/04/13
2018年4月13日(金)晴れ!
初夏の陽気。高知平野ではもう、田植えもすっかり終わった風景。空を映す田んぼの水面が、これからどんどんと緑色に変化していく。そんな季節。
今朝は少し遅めの出勤になってしまった。写真は、今朝5時半過ぎの高知東部自動車道。なんこく南インターから香長平野へと降っていく緩い傾斜の坂道を走りながら撮影。昇る朝日が田んぼに映えて、なんともかんとも美しい。
正面に見えるのは三宝山。てっぺんに、三宝山スカイパークやスカイレストがあった名残の、あの不思議なシャトーが、今は僕らのランドマーク。あのシャトーのシルエットを見ただけで、三宝山とすぐにわかる。
ランドマークと言えば、写真左端の、てっぺんが少しとんがった山。あの連山では最高峰、標高395mの秋葉山。あの特徴的な尖りの山も、ランドマークになります。秋葉山。あのてっぺんには秋葉神社。そう。火伏せの神社、秋葉さま。
秋葉山という山、たぶん、全国にはたくさんあるんだと思う。そもそも火伏せの信仰である秋葉信仰は、静岡県浜松市の秋葉山に鎮座まします秋葉神社の信仰がその根源にかありません。なるほど。迦具土神という火の神を祀る神社で、火伏せの神として信仰され、それが全国に広がった、と。関東、中部地方に多いと書いちゃありますが、高知にも結構あります。
街中に祀られちゅう秋葉さま、かなり多い。市内、いたるところに秋葉さま。
そんなイメージから、秋葉山という名称の山、全国でもかなりの数に上るんではないか、と妄想したのですが、そうでもなかった。
三省堂に「日本山名事典」というのがあるそう。標高5mの天保山から3776mの富士山まで。国土地理院発行の2万5000分の一の地図に載っている山を、俗称も含めて網羅したという佳本。その本で、日本の山の名前ランキングがわかるとのこと。
それによると、秋葉山、10位までにランクインしてなかった。手元にその本が無いので、正確な順位がわからない。図書館行って調べてこんとね。そんなに下位ではないと思うんですが。
で、堂々の一位は「城山」。なんだ。そりゃ、そうだ。「城山」ね。
二位からは順番に、「丸山」「愛宕山」「権現山」「大平山」「高山」「大森山」「烏帽子山」「飯盛山」「妙見山」。
ほう。愛宕山とか権現山とか妙見山は、信仰からきた名称。高山、丸山、烏帽子山、大平山、飯盛山などは、その形状でしょうかね。
で、9位にランクインしている「飯盛山」、茶碗に飯を盛ったような山なんでしょうが、高知では、あまり聞いたこと、ない。丸山も、あまり、聞かない。
高知の山々は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込むことによってできた、シワであり、付加体である。なので、写真の山々のように東西の連山を形成する。だから、香川によくあるような、飯を盛ったような山にはならんのだ。香川の特徴的な山は、安山岩が風化してできた山だから。
ともあれ、秋葉山。
南海トラフ大地震では、津波ばかりがクローズアップされてますが、東日本大震災との一番の違いは、「直接的な揺れが大きい」ということらしい。つまり、揺れによる被害が大きいので、避難が簡単では無い、という話。もちろん火災が発生する危険性も大きいし、倒壊とかで、火災になっても逃げられないことも想定される。山では、あちこちで斜面崩壊や岩石の落下が起きる。
近年、山に逃げるように整備された避難路、ありますよね。しかし、気をつけんといかんのは、その避難路で土砂崩壊が起きること。
阪神大震災では想定できなかったことが、東日本大震災で起きた。東日本大震災では想定できなかったことが、南海トラフ大地震で起きる。
それを頭に入れて、防災を考える。