万博と大阪と通天閣〔5328〕2017/11/16
2017年11月16日(木)晴れてまんがな
そんな訳で今朝は大阪。堂島川沿いに泊まってました。
大阪、どうやら2025年界隈の万国博覧会誘致に力を入れているようだ。なんとか盛り上げようとする仕掛けが、散見できる大阪市内。
万博の場合、テーマが重要。1970年の大阪万博は「人類の進歩と調和」で、世界中から民俗的資料が集められ、万博後に歴史民族学博物館ができたのはご承知の通り。
あの盛り上がりと、事後処理の潔さ、賢さは、現代の大阪人、真似できるんだろうかといらん心配をしてしまう今日この頃。
万博といえばパリ万博。フランス革命100年を記念して1889年に開催されたパリ万博。この万博にあわせてつくられたのが、エッフェル塔。あの美しいエッフェル塔はパリ万博にあわせて建てられた19世紀の世界を代表する構築物。
で、そのエッフェル塔をモデルにして明治45年につくられたのが、初代通天閣と言われてますよね。真相は知らんけど。
現在の通天閣は昭和に建てられた二代目だ。
通天閣の真下には新世界。猥雑な大阪を代表する街が広がっている。
通常、高いタワーやビルは、地盤の硬い洪積台地の上につくられるのが一般的。高さもかせげるしね。例えば東京タワー。地理院地図のアナグリフで見てみよう。この十字の場所が、東京タワー。増上寺北側の台地上だ。
例えばアベノハルカス。通天閣に近いアベノハルカスは、上町台地の上に立つ。だから、ビルの高さに台地の高さがプラスされるので、より高く見えるという訳ですな。
ところが通天閣は。
そう。上町台地から西へ下った低地につくられた、通天閣。この辺、大阪の思想が垣間見える気がして、楽しいですね。アナグリフでみると、こう。
写真は、今朝6時頃の通天閣。御堂筋、堺筋を走ってやって来ました。
通天閣を南に抜け、しばし南下する。ディープ大阪だ。
地下鉄の「動物園前駅」を超えて南下すると、昭和感満載、ディープ大阪感満載の商店街。そこを抜けると、今の日本に残された奇跡の赤線、飛田新地。
全部、上町台地の西側の低地帯にあります。
台地の斜面には天王寺動物園。台地の上にはアベノハルカスが聳え、尾根道にはお寺さんが並ぶ。
大阪の地形と都市の成り立ちを一番体感できるゾーンだね。すごい。
上町台地を東へ降りると。鶴橋や桃谷、コリアンタウンなど。そこもやっぱしディープ大阪。
そんなに離れてません。台地の上と、台地の下。でも、そこに展開される街の風景のコントラストはすごい。日本一かも知れません。
早朝から楽しむ大阪の地形と都市計画。
大阪で商売することを考えたら、大阪の成り立ち、文化、人を知っておかんといけません。そして、そんな文化、人をつくりあげた、地形。