虫の音の森〔5263〕2017/09/12
2017年9月12日(火)雲は、多い
魚梁瀬で時間雨量が80mmを超えたとか、一部地域では結構降っておるようです。水不足は嫌ですが、大雨にも注意しましょう。
さて。
ここは今朝、5時過ぎの野市、上岡八幡宮さん。昨夜は蒸せて、夏と変わらんような暑い朝になりましたが、聞こえる音はすっかり秋。
ついこないだまで、夜明けとともに蝉の声が喧しかった鎮守の森も、すっかりと秋の音になりました。スズムシ、コオロギ、キリギリス。
何故、秋になると虫の声が響くようになるのか。やはり、繁殖でしょうね。
秋に成虫になって鳴き出す虫は、秋に繁殖活動をしている、という訳だ。蝉やカエルは夏なのにね。秋の方が、ヘビとかカエルとかの天敵に狙われにくいので、という説が有力らしいけど、どうなんでしょうか。夏でも秋でも危険度はそんなに変わらんような気もしますが。
昆虫の生態は、意外なくらいわかってないことも多くて、謎が多い。昆虫学者になったら課題満載テーマ満載で、楽しそうですよね。いや、実際は大変でしょうが。
僕の中学高校時代の友人に、大学時代、アリジゴクの研究をしていたのが居ました。子供の頃から虫博士。虫が大好きであったS君ですが、結局、高知県庁に就職して農産物の品種改良などの分野に進むことになりました。
今、高知県は、天敵農法で全国の先頭を走ってます。天敵昆虫を利用して外周を駆除し、農薬の使用量を減らした農産物をつくろう、という天敵農法。その取り組みは、他県の追随を許さんレベルに達していると言います。
循環型社会にピッタリの、高知らしい取り組み、天敵農法。
S君が就職した頃、そんな農法の研究が高知県で行われていたら、彼はその道に進みたかったかも知れない。当時は、高知は園芸王国で、収量が多くて虫や環境変化に強い品種の開発が最重要課題であったので、そちらの方面のスペシャリストになていったS君。
彼が開発したシシトウは、かなりの全国シェアを誇ります。
でも、僕は知っている。S君は、やはり、虫が好き。
これからでも遅くはない。その性向を活かした仕事をしてもらいたいもんだ、と、勝手に思ってまう今日この頃。天敵昆虫の研究など、老後の楽しみにピッタリやと思うんですけどね。
ちなみに、全国に先駆けて高知県で天敵昆虫の研究が始まったのは、1997年のこと。まだ、20年なのか。その20年間の試行錯誤と努力によって、現在の地位を築いた高知の園芸。農薬では死ななかった外来種の害虫が、天敵昆虫の導入で、ゼロに
さらなる高みを目指し、そして高知の野菜は自然に優しいという高知ブランドの確立に向け、努力は続けられていくのであった。かつての虫博士S君も、頑張れ。
高知では、酪農業でも、昼夜周年放牧の山地酪農や、非遺伝子組み換え飼料による酪農が行われており、循環型社会のモデルになるような県なんですね。全然知られてないけど。
天敵昆虫農法も、山地酪農も、今の日本にとってとても重要な取り組みだと思う。高知は、その先進県である、ということを誇りに思いましょう。
虫の音を聴きながら、そんなことに思いを巡らす秋の朝。