白色腐朽菌と地球の営み〔5262〕2017/09/11
2017年9月11日(月)雲は多いです
月曜日。昨夜は少し湿度が高かったですね。雲は多いものの、お月様も見えるおだやかな朝でした。起きた時には。ところが、月曜日恒例の潮江天満宮さんへのお参りを済ませて会社へ行っていると、突然の雨だ。雨がふるとは思わんかったので、ちょっとビックリ。でも夜明けとともに、また晴れてきました。
写真は、今朝の潮江天満宮。本殿の裏手。大山祇神社さんへの参道から大山祇神社方面を見上げてみた写真。
ここ潮江天満宮の大山祇神社さん、昨日お参りしたときには、月次祭の準備で椅子や祭壇が並べられてましたが、今朝はいつもの静かな風景に戻ってました。
ここのように、大きな神社の摂社や末社になれば、毎月毎月毎月毎月、お祭りが執り行われる訳だ。
たぶん四国山地の筒上山から勧請してきたと想像する、この大山祇神社。元々の、筒上山の山上に鎮座まします大山祇神社は、毎月毎月お祭りをやってはないと、思います。登るのには結構大変な山で、冬場は雪も積もりますきんね。
で、この写真。左手の樹木が、白く覆われてます。
この樹、根元のところでいくつかに分岐していて、そのうちの一本が立ち枯れになってます。その、枯れた一本を覆う白いもの。菌類であることは、わかる。白いので白色腐朽菌だろうか。
3億年ほど前、リグニンという複雑にして頑丈な物質で武装することに成功した樹木(裸子植物)が地球上で繁茂する。リグニンは、それまでの菌類では分解できなかったので、寿命の尽きた樹木は地中にどんどんと堆積していき、二酸化炭素を地中に固定化した。大気中の酸素濃度はビックリするほど上昇し、気温が下がる。
そんな時代が長く続いた地球。そこに出現したのが白色腐朽菌。彼(彼女?)らの活躍でリグニンは分解されるようになり、樹木も腐って地中に還元され、二酸化炭素が放出され、地球環境は元に戻っていった。
以前にも書いた、このストーリーの主役が白色腐朽菌。
森の中を歩いていて、倒木が腐り、きのこや菌類に覆われれ地面と同化していく風景。あの風景は、人を落ちつかせてくれます。少なくとも僕は、落ち着く。
干ばつのできていない杉林で、山肌がむき出しになっているのを見ると、落ち着かなくなる。これは人間の生物としての本能なんだろうな、と最近思うんですね。いずれ僕らも、同じように大地の中に戻ってゆき、地球の大きな大きな循環の中に取り込まれてゆく。それを本能として知っているのか。
でもね。ネットで白色腐朽菌を調べると、木造住宅の敵として、「住宅相談」みたいなのにたくさん書かれてました。森の中の白色腐朽菌は落ち着くけど、住んでいる家の白色腐朽菌は、嫌だ。これも人間の生存本能。
あと、地球上の動植物は、色んな菌と共生関係にあるのはご承知の通り。
お互い、持ちつ持たれつ。長い長い年月の間に見事に育まれてきた共生関係。人間の腸にもたくさんの菌がいて、僕らが生きて行くのに役立ってくれてます。ヨーグルトは、その働きを人類が感じ取って古くから食べ続けてきた食品。菌に働きで、整腸作用が高まったり免疫系が活発になったり。不思議ですが、地球の営みの中で見てみると、至極当然かも知れません。
乳製品悪玉論を掲げて人を驚かせ、それで金儲けをしようとしている人は、そんな地球の営みを知らない無知者なのか、それとも知っていて知らないふりをしている卑怯者なのか。そのどちらかだと思います。