星と地質とチャートブロック〔5264〕2017/09/13
2017年9月13日(水)晴れ
良いお天気。でも、台風が気になります。西へ進んでUターン、高知を直撃する予想図が、嫌だ。自然現象には勝てないので、とにかく予想が間違ってくれていることを祈るばかり。
自然と言えば、このところ、夜明けが随分と遅くなってきました。そう。もうすぐお彼岸ですきんね。いつまでも夏の夜明けではない。写真は今朝5時過ぎの物部川。空の美しさが際立つ季節になりました。昔、子供の頃に見た影絵みたい。右上には明けの明星、金星。
中央に見えるのは三宝山。あの東側の山裾を仏像構造線という断層が走ります。
あの三宝山のある連山は「三宝山層群」と呼ばれたこともあり、紀伊半島や九州にも連続して見られる地層群である、とされてます。が、素人にはなかなか難しい。
幾度かご紹介してきた、「20万分の1日本シームレス地質図」というのが、ある。これで見ても、なかなか連続性とか、模式地とか、わからん。全然わからん。
ただ、後期ジュラ紀から前期白亜紀にかけて、つまり1億6000万年前~1億年前くらいに形成された付加帯であることは、なんとなくわかる。太平洋の彼方からやってきて、ユーラシアプレートに潜り込みながら付加された地層だね。
左端、とっと向こうに御在所山。乳房のような山容が特徴的。古くからの信仰の山ですが、あの山はペルム紀の付加コンプレックスでできた、山。つまり、3億年~2億5000万年前に、ずっと南の海で堆積した様々なものが付加帯となって盛り上がり、山になったもの。
様々なもの、と書いたけど、浅海でサンゴ礁になっていたものが沈み込み、付加帯になったのは石灰岩。海に浮かぶ放散虫などのプランクトンの死骸が海底に堆積し、付加帯になったのは、チャート。
ブラタモリでしょっちゅう出てくるチャートは、おかげで最近有名になりました。
高知にはチャートが多く、筆山とか高見山界隈の露出した岩石は、チャート。高見山のライオン岩もね。固いのが特徴で、高知城の石垣とかにもチャートが利用されてます。高知では手に入りやすい、固い岩石なので。
瀬戸内へいくと領家帯になり、深成岩系の岩石が多くなる。代表的なのが花崗岩で、御影石、庵治石、大島石など、全部花崗岩。お城の石垣なども花崗岩が多いと聞きます。
同じ四国でも、中央構造線などで隔てられた北部と南部では、ほんとに、まったく、地質構造が違います。
地学の話、面白いですか?
近年ね、ブラタモリのお陰で、地学に興味を持つ人が増えたとは聞きます。でもやはり、マニア感は否めない、地学愛好家。
ところが。
こないだの視察研修。高知から一緒に行った、高知の大きな薬屋さんの総務部長、Sさん。大学院まで行って、地質の勉強をしていたと判明、地質と岩石の話て盛り上がってしまいました。彼の専門は花崗岩。
早朝、岐阜城のある金華山を駆け上がった話を書きましたが、駈け上がる途中でSさんを追い抜きました。彼は朝の散歩で、金華山を途中まで歩いて登ってたんですね。
宿に帰ってきてから、あの金華山を特徴づけているチャートの話をしました。高知のチャートよりも赤みがかったチャート。金華山の登山道は、そのチャートの岩壁を登るようにしつらえられてます。そんな会話ができる嬉しさよ。
人は、その仕事や見た目からは想像できないようなバックボーンを持っていたりします。面白い。そんなところから、人と人のつながりが生まれ、場合によっては仕事につながっていく。
なんでもね。興味を持って、掘り下げてみる。人生が豊かになるし、ひょっとしたら役に立つ。タモリさんと話ができるかも知れません。