第二次世界大戦、インフォグラフィック〔4980〕2016/12/03
2016年12月3日(土)晴れ!
良いお天気の土曜日。
今朝、出勤してから、ひまわり文庫の新刊コーナーを入れ替えました。そう。12月の新刊。今月は、冊数は少し少なめですが、なかなか濃いラインナップとなりました。
「土佐と南海道」は、随分以前に購入して家に置いていた本。久々に読み返すと、面白い。昔読んだ時に比べると、自分の土佐史に関する理解が深まっちゅうので、違う楽しみ方ができるのでありますね。
「万葉花」は、牧野植物園の売店で買いました。万葉集で歌われた花を、写真で紹介しながら解説する本。暇な時に眺めると、これも楽しい。日本人の花に対しての感性は、昔から素晴らしかったことがよく解る。
「日本一発屋論」は、一発屋芸人に関する本ではなくて、アベノミクスの批判本。経済批評。著者である朝日新聞論説委員の原くんは、僕の大学時代のサークルの友人。この、野草を食べることを活動とした「なべの会」というサークルの友人たちは、現在、上場企業のオーナー社長であったり、写真家であったり、財務省のエリート官僚であったりと多士済済。その多士済済の一人、原くんによる力作は、解りやすくて佳い本。
「さらば、政治よ」。名著「逝きし世の面影」の著者によって最近書かれた本。まあまあ。
そして、こないだ、羽田空港の本屋さんでつい買ってしまった「すごい!広島カープ」。まあ、カープファンによるカープファンのための、本ですな。
右端の「インフォグラフィックで見る138億年の歴史」。これは、金高堂さんで見つけ、買いました。インフォグラフィックというのは、「情報を一目で分かるように表現する技法、また、そうやって表現された絵や図などのこと」だそう。地下鉄の路線図とかが当てはまるにかありません。
この本は、地球上の様々なこと、本当に様々なことを、美しい図や絵で、表現したもの。科学や歴史、文化、経済のことなど。
ヨーロッパの人って、こんなこと、得意ですよね。これこそ、日本人の感性では思いつかないような美しい取り組み。こういう感性が、Macを生みだしていったと、なんとなく思いました。日本人に、Macの感性は、無理だ、と。
今月の新刊で、一番のお勧め。それは、「第二次世界大戦 1939ー1945」。アントニー・ビーバーというイギリス人による大著。全3巻で、読みで、あります。僕も一ヶ月かかってしまった。でも、面白い。
日本人にとっては新鮮な驚きに溢れています。太平洋戦争は、第二次世界大戦の太平洋部門である、ということが、よくわかる。太平洋戦争は、第二次世界大戦全体の文脈で見ないと、間違う、ということを教えてくれます。
欧米の人々にとっての第二次世界大戦。そして太平洋戦争。
この本では、第二次世界大戦は、1939年の、日本軍によって始められたノモンハン事件をもって嚆矢とする、との解釈。なるほど。
日本の歴史、経済、政治は、世界史の中に置いてみてみると全然違って見えてきます。ヒトラーやスターリン、ローズベルト、チャーチルなどなどの思惑。特に、ヒトラーとスターリンの人格や個性が、とんでもなく大きな役割を果たしているのが第二次世界大戦。その中で、それぞれの政治家、軍人が、自国の利害のために騙し、騙され、勘違いし、成功し、失敗していく。
膨大な文献や資料を渉猟し、できるだけ客観的な目線で鳥瞰するこの本。今まで、太平洋戦争についてたくさんの本を読んできましたが、こんな視点のものは初めてで、面白かったです。勉強になりました。
インフォグラフィックの本もそうですが、世の中を、いつもと違う角度から見てみる、というのはとても重要だし、楽しいですな。
それにしても、アントニー・ビーバー著「第二次世界大戦 1939ー1945」は必読です。