進み始めた命山計画〔4930〕2016/10/14
2016年10月14日(金)薄曇り
今朝の高知新聞。社会面に、南国市「命山」整備へ、という見出しの記事。おう。やっと進み始めたか。
このにっこりひまわりでは、津波からの避難施設として「命山」を整備することを言い続けてきました。何度も幾度も「命山」については書いてきたので、Googleで「高知 命山」と検索すると、僕の記事がいくつか引っかかってきたり、します。
東日本大震災以来、人工高台を「命山」として整備する動きが全国で少しづつ、始まっています。四国では徳島の小松島にできた、という記事もありました。
津波から逃げる、ということで、南国市には、14基の避難タワーができたのはご承知の通り。もちろん、避難タワーも、必要。
南国市議会は「象徴的な避難施設」として「命山」を整備する、と今朝の記事にはあります。
僕は、「象徴的」以上の機能が、「命山」にはあると確信する者です。歴史的にみても。
記事にも少しだけ書いちゃありますが、現在の高知空港の滑走路の場所に「命山」がありました。標高28.2m。「命山」は通称で、正しくは「室岡山」。長宗我部の時代には既に八幡様が鎮座ましまし、室積坊福楽寺というお寺さんもあったという山。
その山が「命山」と呼ばれたのは、洪水や津波の度に、近隣住民の避難場所となり、多くの命を救ってきたから。
タワーと山の違いは、たくさん、あります。
山は、普段から、憩いの場として使える。憩うことが、避難訓練にもなる、という訳だ。
山は経年劣化がない。
かつて、宝永の南海地震津波の際には、流されてきて山に打ち上げられ、助かった命がある、とのこと。つまり、山の斜面は流されてきた人を助ける機能が、ある。
そんなことを言い続けてきました。高知大学の岡村先生と話した際に、先生も、命山の有効性を熱く語っておられました。
良かった良かった。一つだけでなく、いっぱい作ったらエイと思います。
高知空港滑走路のところにあった山が「命山」と呼ばれたという証拠は、これ。ちゃんと「命山」と表記された山が、描かれています。神社マークがあるのは、そこに八幡様があったから。
その八幡様の痕跡を、以前、ご紹介しました。
久枝に、三島神社というお宮さんが鎮座まします。この神社は、昭和16年、下島の十八所神社とか近在の神社とかが一緒に合祀され、できたもの。何故かと言うと、海軍が飛行場と基地を整備することになり、広い土地が接収されてしまったので。
「命山」は、取り崩されました。
命山にあった八幡様も、その三島神社に合祀されたのだと思います。三島神社をお参りしておりまして、「八幡宮」という扁額が掲げられた鳥居を発見したのであります。間違いない。「命山」の八幡様だ。
今も、三島神社には「命山」にあった八幡様の痕跡が、残る。
たくさんの人々の命を助けてきた「命山」は、今は滑走路になってしまったが、また、人工高台として整備される。これは、意義深いこと。
普段は地域の皆山が親しみ、憩う場所。それが「命山」。
いざという時に、普段から親しんでいる場所へ、逃げる。