幻のブラン計画とグミ〔4753〕2016/04/20
2016年4月20日(水)晴れ!
良いお天気。
こないだ、このにっこりひまわりも13周年を迎えました。13年間、毎日毎日、1日も休まずに続けてきたにっこりひまわりですが、途中、幾度か、連続記録が途切れてしまう危機に見舞われています。その中の一つが、バイコヌール。
そう。今から丁度10年前。私は、まだ小学生のJr.1号を連れて、バイコヌール宇宙基地へ行きました。弊社の乳酸菌を、ロシアのソユーズに搭載させ、宇宙で培養し、帰ってこさせる為。その、ソユーズの打ち上げに立ち会いに行きました。面白かったです。あれからもう10年になるのか。
広大な荒地の真ん中にあるバイコヌール宇宙基地。ソ連が崩壊し、今はカザフスタンにあるバイコヌールですが、ロシアの宇宙基地が今もあります。
そんな場所なので、行く前から、ネット接続ができるかどうか、何もわかりませんでした。そこで、色々と調べてみますと、インド洋上の静止衛星、インマルサットを利用した衛星モデムなるものがレンタルできることが判明、それを借りて、バイコヌールまで持参した訳だ。
結果。良好。すごい。砂漠の真ん中でサクサク動くインターネット。
そんな訳で、バイコヌールでも、にっこりひまわりを続けることができたのでありました。
あの時。基地の周辺を早朝にたつくって、監視に見つかりそうになったりと、色んなことがありました。移動は、ロシアの宇宙関係者の方が用意した車。その車の中から、基地周辺の風景を眺めておりました。
ある時、日本から同行した宇宙関係者さんが、驚きの声をあげました。指差す方向を見ると、スペースシャトルではないか。いや、よく見ると、スペースシャトルに似てはいるが、微妙に、違う。しかも、荒地に放置されており、廃墟感満載。なんだ、あれは?
さすがに、宇宙関係者さんがご存知でした。旧ソ連が開発を進めていた、ソ連版スペースシャトル「ブラン」に違いない、と言います。
それまで、私、ソ連が、再利用できるスペースシャトルのようなものを開発していたとは知りませんでした。普通、知らんですよね。
「ブラン計画」は、アメリカがスペースシャトルに力を傾注した時代、ソ連も負けてはいられない、ということで巨額の予算をつぎ込んで進められた計画。1988年には、なんと、無人のブランを地球周回させることに成功しちゅうんですね。で、自動で着陸した、ブラン。しかし、ソ連は崩壊し、エリツィン大統領は、ブラン計画の中止を決定。
2002年に、バイコヌール宇宙基地の格納庫が崩壊した際、格納庫とともに瓦礫と化した、とあります。私がJr.1号と見たのは2006年。そう。無造作に空き地に放置された、廃墟となった遊園地の遺物のような「ブラン」。今も、放置されているのかどうなのか。それは知りません。
そんなにも重要な科学遺産が、あんなにも無造作に放置されていたのが、かなり印象的でした。
ところで、あの時に宇宙へ行った乳酸菌を植え継いで、弊社で保管していますが、その乳酸菌を使ったグミキャンディーが、今、準備されています。全国の、科学博物館みたいな場所で販売されることになると思いますので、しばしお待ちを!
ブラン計画が頓挫しましたが、宇宙を旅した乳酸菌は、今も生きています。