地理院地図と右ずれ断層、活断層〔4754〕2016/04/21
2016年4月21日(木)曇り
地理院地図には、日毎に、新しい情報が表示されるようになっています。
例えば「震源断層モデル」や「電子基準点による地殻変動」。
その他、SAR解析結果も、素人でも見やすいようになっておりました。写真は、ベースマップに、SAR解析結果の「準東西成分」を表示させたもの。真ん中の部分、わかりますでしょうか。益城町や南阿蘇村があるところ。上側が赤く、下側が緑になっています。赤は地盤が東向きに移動したことを、緑は西へ移動したことを意味します。布田川断層を挟んで右ずれしていることが、これによってもよくわかります。
コメントがあり、「東西方向の変動は、布田川断層帯の北側では東向きに最大で1m以上、南側では西向きに最大50cm以上の変動が見られます。」と書かれておりました。
この図を見ると、真ん中の、大地震があった部分が空白になっていますが、それは「断層近傍ではさらに大きく変動している可能性がありますが、非干渉のために変動量は不明です。」とのこと。つまり、もっと、変動している、という可能性が高い。
また、「準上下成分」というのを表示すると、断層の北側は沈降し、南部は隆起していることもわかる。「布田川断層帯の北側で最大1m以上の沈降、南側では最大30cm以上の隆起があったと推定されます。」とのことでした。
そしてそれに加えて活断層も表示できます。この図の、赤い線。ところによって、夥しい活断層があることが、よくわかる。地震が頻発している阿蘇山のカルデラ内に活断層が見えないのは、火山灰や溶岩が堆積しているので、よくわからない、ということだと思います。
右上に佐田岬半島が見えますが、その根元には伊方原発。活断層は、少し北に離れては、います。
また、熊本地震関連では、UAV動画、というのがあります。断層が地面に現れた部分や崖崩れをを、ドローンで撮影、YouTubeなどで見られるようにしたもの。例えば、「南阿蘇村河陽周辺の断層」という動画。
どのように断層が走り、どのように家屋に被害が出ているのかも、それで理解できます。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
こうやって地震が発生してから、断層がどこを走っているのか判明しますが、普段はなかなかわからない。
自分の住んでいる家が断層の真上にあった、などということは、その断層がずれてから、初めてわかることが多いんだと思います。これは、なかなか難しい。
地理院地図の活断層図を見る限り、高知県には活断層は見当たらない。
しかし、高知の南の海には南海トラフ。その南海トラフにどれだけの歪みが溜まっているのか。今回の地震が、その歪みに影響を与えたのかどうなのか。それは、今の地震学では誰もわからない。
最初の地震から1週間。
報道にもあるように、避難されている皆さんのストレス、健康状態が大きな課題となっています。阪神大震災でも新潟県中越地震でも、東日本大震災でも問題になった、震災関連死が、目の前に迫っている。目の前の課題を一つ一つ大急ぎで解決していきながら、今後の高知県での対策にも活かしていく必要が、ある。