断層、活断層、地理院地図〔4751〕2016/04/18
2016年4月18日(月)薄曇り
今朝は高知。写真は、会社の2階からズームで撮影した三宝山山頂部。秩父塁帯南帯、三宝山層群の模式地。主にジュラ紀に堆積した地層に、太平洋の南からやってきたサンゴ礁などが付加帯となった石灰岩やチャートの層が特徴的。あの三宝山の連山の南側には、こないだも書いたように、仏像構造線。四万十帯との境目の断層。
しかし、この断層は活断層ではない。
今回の地震は、中央構造線の横ズレ断層によるもの、と言われております。九州から四国佐田岬半島、まっすぐ東に行って、吉野川北岸、淡路島の南端、紀ノ川と通って渥美半島、さらに東進し、関東にいたる活断層帯。この中央構造線の西端近くにあるのが布田川断層と日奈久断層で、今回はそれが動きました。活断層。
中央構造線が活断層である、とわかったのは、比較的最近のこと。白亜紀からの時代に由来する横ズレ断層で、2500万年前くらいから「右横ズレ」断層になっているとのこと。断層を挟んで立って、向こう側の岩盤が右にズレるのが、右横ズレ。
中央構造線は、この1億年くらい、活発に動いている活断層なんですね。
420年前の1596年。慶長伊予地震という地震が発生しております。M7.0。発生の3日後に大分で慶長豊後地震。その翌日に慶長伏見地震。
伏見は中央構造線からは少し離れるものの、最初の地震の影響を受けて発生したものと考えるしかない地震。
これが最近の中央構造線の動き、と言えますが、ここ2000年、それほど活発に動いてない、つまり、エネルギーが蓄積している、という話もあり、予断は許さない、中央構造線。
昨日、大阪から車でモンて来ました。淡路島を通り、徳島道、高知道を経由して。
そこで地理院地図。地理院地図の、「情報」の「主題図」の「都市圏活断層図」を見てみると、四国の、中央構造線に沿った部分の断層図を見ることができます。これを見たら、かなり、驚きますよ。
吉野川北岸を走る徳島道。川之江を経由し、新居浜、西条、小松、桜三里を通って松山へと通る松山道。この高速道路と中央構造線の断層、一致している部分が実に多い。いや、わざと断層の上に作ったのではないか、と思えるくらいの一致。これはなかなかに凄いです。
この高速道路が計画された頃は、阪神淡路大震災が起こる前。あまり、断層のことは考慮されていなかったのかも知れない。そう思わせるくらい、一致している徳島道、松山道と中央構造線。
地理院地図の「都市圏活断層図」は、松山から伊予市まで表示があり、そこからスッポリ抜けて、大分市のところから再び表示されます。しかし、丁度、今回の地震があった南阿蘇とかの界隈は、ない。
重要な部分なので、今後、空白部分の表示も国土地理院にはお願いしたいところ。
特に、伊予市と大分市のが抜けているのは、何故なんでしょうね。佐田岬半島も、スッポリ。伊方原発のどれくらい横を活断層が走っているのか、気になるではありませんか。混乱しないように意図的に表示しないようにしている、てな事はないでしょうが、やはり気になる。
高知大学の岡村先生の研究では、伊予市沖では、2000年間隔で、大地震が発生しているそうです。ここの横ズレ断層が動くと、最大でM8クラスの大地震がは起きる可能性を指摘しちゅう専門家もおりますね。420年前にどれだけのエネルギーが発散されているのか。いないのか。
過去1500年間くらいは、巨大地震は発生しちょらん、とも言います。
今回の大地震、大変な被害になっている様で、しかも拡大傾向にある様です。どうなるか、予断を許さない。該当エリアの皆様は、眠れない毎日をお過ごしのことと存じます。本当に、心よりお見舞い申し上げます。
巨大地震。エネルギーや歪みがかなり溜まっている、ということは、わかる。しかし、それがどんなきっかけで、いつ、大地震になるのかは、予測するのは不可能である、とも言います。地震規模と頻度はにはベキ乗則があり、いつ発生するかの予測は、困難。
天災は 忘れた頃 来る
できることは、被害を最小限に抑える準備をしておくこと。万全の対策を立てておくこと。