アンタレスと火星と土星〔4724〕2016/03/22
2016年3月22日(火)快晴!
今朝も良いお天気。放射冷却で、少し寒いくらいの朝になりました。東京は桜が咲いたそうだ。高知はまだですね〜。
放射冷却で透き通った空。夜明け前の空に、夏の星座が煌めいています。代表的な夏の星座、さそり座が、存在感を増してきた、夜明け前の空。
ここは野市、上岡。真南の空に、さそり座が横たわっています。そして火星と土星。
写真中央の一番上に見える赤い星。火星。その左下に見える赤い星。さそり座のα星、アンタレス。火星とアンタレスの間を左へ行ったところにあるのは、土星。なかなかに美しい天体ショー。
アンタレスの右上と左下には、ぶら下がった天秤棒の先。この傘の形が、土佐では天秤棒に見立てられて商売星と呼ばれた、てな話は何度か書きました。あの天秤棒が垂れ下がって見えるほど、お米が豊作になり、米相場は下がる、という言い伝えがありました。
アンタレスと火星。
アンタレスという名称は、ご承知の通り、アンチアーレス。アンチ(対抗する)アーレス(火星)、という訳で、火星に対抗して赤く輝くので、アンタレス。さそり座は黄道十二宮の一つなので、このように、火星に近づくことがあるんですね。こうやって見てみると、空に赤い星が並ぶので、とても印象的。今朝はそれに横から土星がちょっかいを出す、といった構図ですな。
アンタレス。日本ではそのまんま赤星と呼ばれたり、上に書いたように商売星と呼ばれたり。
アンチアーレスはギリシャ語。ヨーロッパでは、サソリの心臓という呼び方が多いにかありません。
アンタレスは、超巨星として有名。
僕が子供のころに読んだ天体の本でも、真っ赤なアンタレスが一番大きく描かれておりました。現在は直径が太陽の600倍〜800倍とされちょります。今は、オリオン座のベテルギウスの方が大きく描かれちゅうことが多いにかありません。天体というのは、まだまだわからないことだらけ。
アンタレスが地球から550光年くらいで、ベテルギウスが640光年くらい(誤差はかなり大きい)とされちょりますので、ベテルギウスの方が遠いんですが、地球から見た大きさは、ベテルギウスの方が大きい。それほど、ベテルギウスは大きく、しかも大きさがかなり変化しゆう。つまり、間もなく超新星爆発をするのではないか、と言われておるのがベテルギウス。
640光年離れちゅうということは、今、見ているベテルギウスは640年前のもの。なので、今は、もう、爆発して弾け飛んでしまっているかも知れない、ベテルギウス。
アンタレスは、それよりももうちょっと安定しちゅうにかありません。とは言え、宇宙はまだまだ謎に包まれ、わかってないことだらけ。なので、何が起こっても、不思議ではありませんな。
もし、ベテルギウスの超新星爆発に我々が遭遇したら。
こんな近くでの超新星爆発は我々にとってはじめてのこと。色んな研究が為されちょりますが、ガンマ線によってオゾン層が傷ついて、宇宙から有害な宇宙船が降り注ぐのではないか、という話もあります。いや、自転軸がズレちゅうので、その心配はない、とする説が有力であるも、宇宙のことはわからないことだらけ。ちょっとドキドキしますな〜。
わかっちゅうのは、もしベテルギウスが超新星爆発したら、半月よりも明るうなるだろう、ということ。昼間でも見えるくらい。
ともあれさそり座、アンタレス、火星、土星。アンタレスは火星に対抗しちゅうものの、やはり火星が明るくて大きい。あの火星に、人類を送り込むという計画があります。それはすごいですよね。昔、カプリコン1という映画がありました。調べてみると1977年の映画だ。中学生の僕は、観に行きました。有人火星探査宇宙船が火星へ向かう話だが、実は、地球の砂漠で、あたかも火星に行っているかのようなセットを作って撮影していたもの、という設定。政治的な理由で計画をとりやめることができず、地球のセットを火星と言い切った訳ですな。
我々が見た、アポロ計画の有人月探査も、実は、地球のセットで撮影されたものである、という陰謀説を唱える人も、いまだに居るくらいですきんね。
火星。いつの日か、人類は到達するのでありましょう。