畑山温泉、水口神社、ムカデラン〔4392〕2015/04/25
2015年4月25日(土)晴れ!
良いお天気の土曜日。ちくと用事がございまして、安芸方面へと出かけちょりました。
ここは畑山。高知県東部、安芸市の中心部から安芸川沿いにどんどんどん遡上した山中の集落。道中、なかなか険しい山中なので、この先に集落があるのかどうなのか不安になりますが、あります。畑山。かつて、小学校も中学校もあった、畑山。丁度盆地みたいになって、結構拓けちょります。
畑山の地を支配したのは、ご存知安芸氏の支族、畑山氏。正応元年(1288年)という古い時代、安芸家から分家した安芸康信が畑山氏を名乗ったのが、その始まり。安芸氏との関係はただならぬものがありますな。永享11年(1439年)に、安芸氏の当主、安芸元実が永享の乱で死亡した後、畑山氏から元信を養嗣子に迎えちょります。その後、元信と、その嫡男元康が戦死すると、また、畑山氏から元信の弟が当主に迎えられちょります。安芸氏と畑山氏は一心同体。そんな関係。
で、畑山には、杉の巨木が屹立する幽玄な神社が鎮座まします。水口神社さん。御祭神は、敏達天皇、蘇我赤兄、蘇我乙麻呂、水波女命、となっちょります。
う〜ん。この中で、氏素性とも神様なのは水波女命さんだけではないか。言うまでもなく、水を司る神様。ここは安芸川の上流で、ここ畑山の水を支配することは、下流の安芸氏にとって、とんでもなく大切なことであったことは容易に推察できます。
その他は、実在の人物ばかり。
蘇我赤兄。この人物は、壬申の乱で大海人皇子に敵対する大友皇子、天智天皇の息子の大友皇子に与みし、大海人皇子軍に敗れて敗走した人物。
安芸氏は、その子孫である、という伝承があるのでありますね。なので、畑山の水口神社さんの御祭神に蘇我赤兄さんが出てくる、という訳だ。なるほど。
その水口神社の横、かつての小中学校の跡地は、今は畑山温泉という施設になっちょりまして、3km程手前の鶏舎で飼育しゆう土佐ジローの肉や卵をふんだんに使った料理を食べさせてくれるのであります。
土佐ジローの養鶏も、畑山温泉も、小松精一さん御夫婦が切り盛りされております。
今日は、土佐ジローの親子丼とか、いっぱい食べてきました。美味しかったです。ごちそうさまでした。
水口神社さんには、県の天然記念物であるムカデランというのが自生しちゅう、という説明版があります。ネットにもあります。ので、お料理が出てくるまで、神社の境内で樹々を見上げて探してみましたが、よう見つけません。
で、小松精一さんに尋ねてみました。
すると、神社ではない別の場所にムカデランがある、というので、ご案内して頂きました。なるほど。こうなっちゅうのか。写真をご覧ください。
この、幹にモブレ付いちゅう、よく見るとムカデみたいな形をしちゅう植物。ムカデラン。
明治20年、旧吾川村大崎で牧野富太郎博士が発見、命名した常緑の多年草。夏になると、2mm〜4mmばあの、しかし形はちゃんとランの花の形をした花が咲く、と、小松さんが教えてくれました。その頃、来てみたいですね〜。
こうやって、樹木に張り付いちゅう姿を見てから、今一度、水口神社さん境内の杉の巨木を見上げてみました。
わかるわかる。とっと高い場所の、木の又になっちゅう所から上に。ムカデランらしきものが見えました。良かった良かった。
畑山温泉、水口神社、ムカデラン。
良い土曜日です。