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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

梛の木、「公共」の本質が見える美しい風景〔4300〕2015/01/23

梛の木、「公共」の本質が見える美しい風景

2015年1月23日(金)晴れ

良いお天気。もう、春のよう。
今日は、県東部方面へ行っちょりました。太平洋がとてつもなく美しい、高知県東部の海岸。おだやかな空ですが、海には少し白波が立ち、やはり、冬の海。海がこんなに美しゅう見える日も、一年にそう幾度もないのではないか、と思えるほどの美しさ。

今も、海に出る漁師さんは、命賭けのお仕事。漁船の事故は、現在でも後を絶ちません。今のようにエンジン、発動機などが無かった時代は、その危なさは今の比ではありません。もちろん天気予報がある訳でもなく、天候がどのように変化するかは、経験と勘に頼るしかなかった時代。
海や空や空気を感じて、天候の変化を予測するのに長けた人物が、古来、各地にいらっしゃいました。が、そんな人物でも、天候の急変を読み切れずに海で最期を迎えたりしちゅうケースも多い。

ここは、安芸市。国道55号線を東進し、安芸の街、伊尾木の集落を通り抜けて少し行った場所。以前にも一度ご紹介した、波切不動尊とその御神木の「梛の木」。なぎのき。
国道の上り線と下り線が分かれ、その間に挟まれる場所に屹立する御神木、梛の木には、一つの伝説があるそうです。
この写真にも写っちゅう説明板に書かれちゅう文章を転載しましょう。以下転載。

神木 梛の木
「梛の木は残した」

昔、金二という漁師がいた。ある時仲間と漁に出たが、嵐にあって船は転覆、仲間は見えなくなってしまった。泳ぎに自信のない金二は無我夢中で波間をただよっていた。
その時笹のような葉をつけた小枝にしがみついたところ、それがなんと日頃金二が信心している波切り不動明王の境内にある神木梛の木の枝であった。「あっ!お不動様の梛の木の枝じゃ!おれは助かるぞ。」
そう思うと大変な自信が湧いてきた。こうして仲間の中から金二だけが助かったという言い伝えがある。
神木梛の木は昭和44年国道55号線拡張工事のため取り除かれる予定であったが、地元不動部落民と関係機関の努力により残すことになり、梛の木を境内の一部とともに中央分離帯として上下線を分離、国道では日本で唯一の名所となった。
梛の木の樹齢は300年〜400年と推定される。

土佐の名木 神木梛の木保存会

以上転載。
すごい話。波切不動さんは、海の守り神などとして地元で尊崇されてきたお不動さん。その境内のご神木は、奇跡の伝説に彩られた樹木。

普通、国道の工事が計画された場合、よほどの物理的事情がない限り、変更になったりはしません。何という地元の努力。そして国の英断。

今、こんな判断をする国の公共工事はあるでしょうか。地域の神様に対する思いの強さに、国が理解を示したという稀有なケース。この工事を担当した役人さんは、歴史に名を刻まれるべき人物やと思いますね〜。

今も、このように、ひっきりなしに車が行き交う国道55号線。
ここを通る度に、ヒトの思い、知恵、努力、判断、などといった単語が思い起こされ、厳粛な気持ちになります。公共事業は公共のためにあるもの。何をもって「公共」と考えるのか。「公共」とは何か。

そんなことを、じっくりと考えさせてくれる美しい風景。


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