山の辺の道、三輪山登拝、箸墓古墳、そして銭湯〔4064〕2014/06/01
2014年6月1日(日)暑い関西
明日、朝から関西でお仕事につき、今日、やってきました。明日の朝高知を出発しても間に合わんきです。で、せっかく日曜日に関西へ来るのであれば、ちくと早めにやって来て行きたい所をたつくる、という企画は当然。そんな訳でやって来ました。山の辺の道。
奈良県の、古い古い道。弥生時代が過ぎ、巨大な勢力が纒向界隈に跋扈した時代、当時としては日本で最重要な道のひとつであったであろう山の辺の道。
近年、巻向駅界隈に大きな宮殿遺跡がみつかり、さては卑弥呼の宮殿か、と話題になったので、特に騒がれるようになりました。邪馬台国はここにあった、ということで決着!と、邪馬台国畿内派は息巻いた訳です。確かに、発表された年代がホントであるとするならば、かなり、邪馬台国がこの界隈にあったことの信憑性は高うなります。
しかし。
その年代測定が恣意的で間違っており、纒向に巨大勢力ができたのは、邪馬台国の少し後の時代である、という説を唱える学者さんも多く、まだまだかしましい論争が続くのでありました。
そんな舞台の山の辺の道界隈。
論争はともかく、日本の古代政権がここにできたことは間違いなく、大和朝廷も、ここが原点にもなりますので、一度ゆっくりじっくりまったり楽しんで見たかったのであります。
今日は桜井駅で降り、東へ。桜井茶臼山古墳。そして北上して山の辺の道に入り、三輪山の麓。大神神社。おおみわ神社。様々な伝説に彩られる三輪山は神奈備山。日本にはたくさんの神奈備山がありますが、三輪山はその原点。その緩やかな傾斜、お椀を伏せた姿は、全国の神奈備山に共通するもの。高知、朝倉神社のご神体山、赤鬼山も、同じ姿の神奈備山。
纒向や、三輪山界隈は、物部氏と関係の深い土地。で、いつもお参りする野市の上岡八幡宮さんの石船伝説にからめて、2010年12月19日のにっこりで妄想を暴走させちょります。まあ、妄想です。
大神神社では、拝殿の後ろっかわの、三ツ鳥居も拝んできました。元々、三輪山がご神体ですきに本殿はなく、山を拝むための鳥居だけがあったという大神神社。
今日は日曜日。大勢の参拝客で賑わいよりました。
賑わいと言えば、日本で一番古い公の道と言われる山の辺の道、キレイに歩きやすい山道になっちょりますので、日曜日ということで、どっさり愛好者が歩きゆうかと申しますとサにあらず。散策する方は、そんなに多くありません。10km以上歩くなかで、遭遇したのは10組くらいでしょうか。それっぱあのもんで、大神神社の参拝客の多さと対照的でございましたね〜。
さて。賑やかな拝殿前から山裾を北上していくと、摂社の狭井神社。その脇から、なんと、神の山、三輪山に登ることができるようになっちゅうがです。300円の入山料を払い、渡されるたすきを首に掛け、決まり事を守って厳粛な気持ちで登らんといけません。もちろん撮影も不可。裸足で上りゆう方も結構いらっしゃいました。途中で気付いたので、小生は運動靴。今度は裸足にします。
三輪山の標高は467m。一気に駆け上がると、結構ふうふうぜえぜえ。登って下って通常2時間から3時間というコースを、1時間で登拝して参りました。てっぺんの奥ツ磐座まで登ると、ホントに、実に、日本の神道信仰の原点にきたような気がして、特別な感慨。来て良かったです。
で、再び山の辺の道に戻り、元伊勢、檜原神社をお参りし、景行天皇陵と言われる巨大な前方後円墳を経由して、久々にやって来ました。倭迹迹日百襲姫命の墓所とされる古墳。通称箸墓古墳。巻向駅の近くに広大な遺跡が見つかったことから、この古墳が卑弥呼の墓であるとか、その娘のトヨの墓であるとかの議論があります。日本最古級の巨大古墳。
こないだ、宮内庁で、明治初期に撮影された写真が見つかり、その形状が明らかになりました。今は宮内庁管理で発掘調査もできんので、こじゃんと貴重な資料ですな。
以前、一度だけ、見に来た事があります。2度目。時代認定も含め、軽軽に卑弥呼の墓などとは言えない、しかし、日本の古墳時代の幕を開いた画期的な古墳。箸墓古墳。数ある古墳の中でも、特別意味のある古墳。向こうに見える山が三輪山。倭迹迹日百襲姫命のところへ通うて来よった男性は、あの山の神、大物主神。そこにある悲しい伝説は、長くなるので書きません。
さて。で、巻向駅へ戻り、JRで桜井駅へ。
ここで、さっきの登山RUNや日中のとてつもない暑さで、服が汗モツレであることに気付きます。こりゃあ、自分はともかく、そばに寄ってきたヒトに迷惑をかけるぜよ。
最初、桜井駅から茶臼山古墳へ向かう途中、実に実に昭和な町並みの中を歩きました。その際、「力湯」という銭湯があるがを見つけちょりました。これこれ。
スーパー銭湯でもなんでもない、昔ながらの、昭和の銭湯。久々です。
入浴料は400円。広い湯船の匂いは、銭湯の匂いでした。地元のおんちゃんが入り、上側が空いて筒抜けになっちゅう壁の向こうからはおばちゃん達の話し声。これぞ銭湯。のったりまったり堪能し、古代の汗を流し、京都方面へと帰る近鉄電車の中で、このにっこりを書きよります。
ああ、大人の遠足。贅沢な一日でした。