賃取り橋、大川橋、赤川庄八さん〔3505〕2012/11/19
2012年11月19日(月)良いお天気
今朝は朝から香川方面。ちょっと早めに会社を出て、国道32号線で高松まで。今、この国道沿いは紅葉がキレイで、なかなか良い風情になっちょります。朝、早めに出て国道を走るのをお薦めします。
ここはJR土讃線、祖谷口駅の前。土讃線で県境を越えると、大歩危、小歩危、阿波川口ときて、次が祖谷口駅。この向こうから祖谷渓谷へと入っていきます。
このにっこりでも何度かご紹介した、高知出身の写真家、島内英佑さんの「セピア色の吉野川」という写真集があります。1958年、大学の卒業作品を撮影する為、高知県の山奥の吉野川源流集落から徳島県の吉野川河口まで自転車で取材、撮影。そして20年後、40年後、50年後と、集落の生活や風景の移り変わりを、定点観測というかたちで撮影した、非常に貴重で興味深い写真集。面白いです。
その写真集に、この橋も紹介されちょります。「賃取り橋の変遷」という題名で。
1958年(昭和33年)3月、雪の降る、この橋を撮影しちょります。賃取り橋。地元の、酒造業や林業で財を成した赤川庄八翁が、周辺住民のため、私財を投じて、昭和10年に架橋したがやそうです。土讃線が開通し、祖谷口駅ができて、そこへの通行の便を考えた訳です。私財ですきんね、すごい。
で、50年前は、まだ、有料。私財で作ったとはいえ、保守管理とかにお金がかかる訳です。料金表の写真も残っちょります。大人2円、子供1円。自転車3円、オートバイ5円、リヤカー5円、牛馬5円、中車10円。牛馬はもちろん牛や馬で、中車は小型の自動車でしょうか。ここを自動車も通った訳です。
その20年後に行ってみると、橋は池田町に寄付され、町道となって、無料になっちょりました。近くに大きな橋ができて、歩行者、自転車専用になりました。歩く部分は板ですが、当時は横に板を並べちょります。今は縦。
この板の張り替えは、地域の住民に、町から委託されちょったそうです。今はどうなっちゅうがでしょうか。補習用の板が、たくさん立てかけられちょりました。
朝から、このように、結構たくさんの善男善女が渡りよります。先人の努力が、ここでも、今も、役立っちゅうのであります。
良い橋です。