潮江天満宮の梅と潮江用水〔3242〕2012/03/01
2012年3月1日(木)薄曇り
今朝はヌクい朝。4時頃の気温は、10℃くらいありそうな高知市内です。もう3月ですきんね、今日から。今年の1月2月は冷やかったもんですきに、梅の開花は例年よりだいぶ遅うなっちょります。
ここは潮江天満宮。ここの梅林は現在八部咲きといったところでしょうか。いっつもですと、もう満開を過ぎちゅう季節。この境内の中では結構早咲きの飛龍梅も、今、満開をちょっと過ぎたくらい。境内には、それこし、馥郁たる香りが漂いよります。ぜひ、その匂いを楽しみにいってみてください。今です、丁度。
この梅の木は、拝殿から帰る途中の水路の脇に立っちょります。鮮やかなピンク色の梅の花。普通の紅梅白梅が多い中、ちくと目立っちょりますな。
この下を流れる水路は、潮江地区の農地に水を供給する農業用水。何度かご紹介しました。このにっこりを読んでくださりゆう潮江のお百姓さん、潮江雪太郎さん(仮名)が、一度ご案内してくれました。
潮江の地は、その地名からわかるように海沿いの土地。そこを流れる川は海とつながり汽水域。塩分がありますき、農業用水には使えん訳です。で、昔は、鷲尾山系から流れて来る細々とした小川の水をみんなあでバイあいよったと思われます。
現在はこの西、鏡川の上流に流れ込む神田川、高知では「こうだがわ」と読む神田川で取水し、吉野川の下をくぐって競輪場の南東に流れ、ここ、潮江天満宮境内の中を通ってこの東でいくつにも枝分かれし、潮江地区の広大な農地に水を供給しゆうという訳です。高知ではもうまあ田植えが始まりますき、この水路の水も、キチンと定められたルールの中で使われることになるのであります。
2010年3月7日、3月8日のにっこりで、取水地や吉野川をくぐり抜ける場所をご紹介しちょりますきに、ご覧になってみてください。
お百姓さんにとって、水は命。水がなければなんちゃあできません。で、太古の昔から、水を確保することが農業として成り立つこととイコールでした。歴史上、その水を巡る争いが絶えんかったがもご承知の通り。高知でも、大きな水争いが過去何度も起きちょります。水の分水権を握った者が、その地を支配できると言うたち過言ぢゃあございません。
都会に住む者が、山間地へ行って、なんであんな山の奥、山の上にまで家や農地をつくっていくがやろう、と、不思議に思うかも知れません。ビックリするくらい山深い場所に農地があったりしますきんね。その主たる理由は「水」という訳です。上部に位置する者が水を取るに有利、ということもあって、上へ上へと農地をつくっていったということもあります。
今でも、山では、乏しい水資源をめぐって厳しいルールが定められ、お互いに折り合いをつけながら運用されゆう、ということを、町に住む我々も、認識しちょかんといかんでしょう。