白土峠から往還を下る〔3063〕2011/09/04
2011年9月4日(日)晴れ!
台風12号は、あまりにも進むのが遅く、各地に甚大な被害をもたらしております。ええかげんにして欲しい、という感じの進み方です。
さ て、高知は、今日は朝から晴れ。湿度も高く、ものすごい暑さになりました。朝、高知の街中から、神田、そして治国谷のトンネルを抜け、おおなろ園へ。そっ から烏帽子山へ登る狭い急坂を駆け上り、途中、柏尾山へ登る分岐をちょっと入ったところに、白土(しらつち)峠という峠があります。古来、春野方面から高 知の街方面に抜ける往還は、その白土峠を通るルートでした。往還とは、昔の幹線道路。徒歩で行き来しよった時代の、結構整備された幹線道路のことを往還と 呼びます。
さて、その白土峠から南へ、春野の芳原に下っていく昔の往還の山道がある訳で、今日はその道を下ってみることにしました。
その 道、昔は往還やったでしょうが、今は役割を終え、山登りコースにもならず、通るヒトはメッソ居らんにかありません。クモの巣だらけ。湿った道には枯れ枝な どが散らばり、ほとんどヒトが通った形跡がありません。夏のこの時期、こういった山道を通るがは、ちくと勇気が要ります。
たぶんハミも居るので、 地面に目を凝らしながら、前方は木の枝でクモの巣をはらいながら、そしてアブの攻撃をタオルで打ち払いながらの進軍。たぶん、夏は、一ヶ月に何人も通らん ような道。ここでハミに咬まれたらどうしょうもないのう、などと考えながらの進軍。探検は冬にしちょったらよかった。後悔後に立たず。う~ん、いつものパ ターンですな。
好奇心に勝てず、飛び込んで行く。予想以上に厳しい状況に、後悔し始める。なかり厳しい状況であるが、引き返すのも大変な状況になる。なかなかゴールが見えず、かなり不安になる。やっと民家のあるところに出て来てホッとする。達成感に浸る。
今日は、きょろきょろせず、ひたすら忙しく道に目を凝らしクモの巣を払いアブを追い払う作業に集中しちょったので、蛇は1匹しか見かけませんでした。もっと居ったでしょうけんどね。
その、昔の往還を下ってきたのがここ。右手の山が烏帽子山で左手が柏尾山。間の低い部分が白土峠。
ここが往還やった藩政期、あの手前の、家がある界隈に、踏鞴(タタラ)場が置かれたことがありました。峠道の登り口。目的は藩財政の立て直しやった訳ですが、収支が整わず、取りやめになったそうです。今でも、その痕跡として鉄カスが散らばっちゅうそうですね。
こっから南へは、舗装されてはいるものの昔の往還の風情を残した道がゆるやかに下っていきます。やさしい気分になれる道です。現在の直線的な道路とは全然違う昔の往還。