吉澤壽園のやぎちち〔2813〕2010/12/28
2010年12月28日(火)晴れ!
昨日、ラララ音楽祭関係でお世話になりゆう方から、ボッコリ、書籍の入った宅配便が届きました。開けてみてビックリ。ものすごいものでございました。
2冊はいっちょりまして、そのうちの1冊が、大正4年に発刊された「実験 山羊」という、山羊の飼育等についての専門書でした。送ってくれた方が、知人の引っ越しのお手伝いに行っちょって、その家にあったがを貰い受けてきた本やそうです。小生に進呈して下さるとのこと。
さすがに使い古された感のある本の表紙をめくると、そこに、山羊乳の値上げ広告が貼り付けられちょりました。新聞広告を切って貼ったものでしょう。
値上げ廣告
やぎちち 効力の早き且つ偉大なること 世既に定評あります
組合の申合はせに依り七月一日より一合 代金拾貳銭
と書かれ、4軒の山羊乳業者の名前が載っちゅうがが見えますでしょうか。その右から2番目。
市外秦泉寺 吉澤壽園
おおおっと。ひまわり乳業は、大正11年5月、高知市近郊の秦泉寺で山羊と牛を飼い始めたがをもって創業とされちょります。で、最初は山羊と牛の乳を搾りよりましたが、間もなく牛だけになったそうです。ですきに、この「やぎちち」値上げ広告は、創業間もない頃、大正年代の広告で間違いないと思います。当時の資料は全然残っちょりませんので、ひまわり乳業にとって、これはひょっとしたら最古の現存資料かも知れん訳です。「吉澤壽園」という屋号も初めて見ました。なるほど。最初は、こういう屋号で、山羊と牛の乳を搾って売りよったがですな。
正確な年号を特定したかったがですが、難しいみたいです。本の間に挟まれちょった葉書は1銭5厘の官製葉書で、これは明治32年から昭和6年までそうやったですきに、範囲が広すぎ。いや、葉書の郵便料金が1銭5厘の時代に、山羊の乳は1合(180ml)12銭やったということが、これで判りますな。なかなか高価な滋養強壮の飲み物やった訳です。
しかし持つべきモノは交友関係の広い友人。まさか、こんな貴重な資料が今になって飛び出してくるとは思いもよりませんでしたね。もう、歳があらたまるろうとしゆうこの時期に、素敵なプレゼントを頂戴してしまいました。ありがとうございます。大切に保管させて頂きます。