大野台地の水利用〔2779〕2010/11/24
2010年11月24日(水)快晴!
良いお天気。朝は冷えましたですけんど、日中は汗ばむくらいの日差しが照りつける高知県地方。
昨日は鏡川の「のえくり」のお話を書きました。娯楽の少なかった当時、そして鬱憤を晴らす機会の少なかった当時、河原に老若男女そして恐らくは武士も町民もお百姓さんも、みんなあごちゃごちゃになってホゲまわる「のえくり」「大仏踊り」は、高揚感、不安などが綯い交ぜになった一種の特殊精神状態が為した時代状況やったがかも知れません。
慶応3年夏が特別すごかった訳で、長い武士の世が終わりそうな予感と新しい時代の幕開けの予感、それに不安、それが醸し出した一瞬の「真夏の夜の夢」のような状況やったがでしょうか。その、のえくりたくりよった一夜に思いを馳せ、自分も参加してみたかったと思う気持ちが、あの「のえくり」を描いた絵に引きつけられる理由かも知れません。
10年ほど前の企画展の図録に載っちゅうそうですきに、探し出して買わんといかん、と思いよります。
さてさて、ここは田野町の大野台地の上。ひまわりの、「搾乳日がわかる低温殺菌牛乳」の生乳を生産してくれゆう酪農家さんのしゅっと横から撮影してみました。ここは台地の上で、右手向こうに真っ青な太平洋が見えよります。正面には、昔からここで農業を営んで来られた方々が組んだ石組みが。台地はなだらかな傾斜になっちょりまして、石組みで耕地をつくり、色んな物を作りゆうのでありました。台地の上ということで、昔から水が少なく、現在のようにポンプアップできるまでは田んぼで稲作などは考えられんかったそうです。今はご覧の通り、オクラやジャガイモ畑以外にも田んぼもたくさん作られちょります。今はヒコバエがちっくと生えてきちゅうだっけのほったらかし。来春の田植えまで、このままやそうです。
さて、ここでは農業用水は有料。この田んぼ1反に水を引くがに、以前は21000円かかりよったそうです。今は安うなって8000円やそうですけんど、それでも米価がやっすい現状での8000円は結構負担ですな。
お百姓さんは、それぞれ、我々の知らん苦労をされながらおいしい農産物をつくってくれゆうがです。