三ノ丸、高知書籍館、文化行政〔2754〕2010/10/30
2010年10月30日(土)曇っちょります
台風は沖を通り過ぎていってくれよりますね、良かったです。今日は台風で大雨かも知れん、という週間予報やったですけんど、雨の気配も無く、暑いくらいのお天気になっちゅう高知県地方。
ここは高知城三ノ丸。天守台から2段下がった、かなり広いエリア。ここには、藩政期、大書院という、大広間のある大きな建物があったそうです。正月とかの儀式で使われよったという大書院は、明治になって高知藩の執政府になり、明治6年に取り壊されました。その後、明治12年になってここにつくられたがは「高知書籍(しょじゃく)館」。
これが現在の高知県立図書館の前身で35000冊という当時としてはなかなかの蔵書でございました。
今、市民図書館をどうするとか県立図書館がどうしたとかの議論が巻き起こっちょります。で、考えることは、財政とか効率化とかの前に、図書館の大切さ。高知は、教育文化に対する熱が高く、それが明治維新の原動力になり、人材輩出県になってきたと言われちょります。まさにその通り。県立図書館も市民図書館も、その図書館行政に於いて、全国有数の取り組みをやって来たがはご承知の通り。それが全国最低レベルの図書館投資県になり、現在の状況になってしもうちゅうがです。今、やっぱし、図書館を利用する人口を増やし、文化教育水準を高めることが、未来を見越した先行投資やと思われてなりません。マスコミやインターネットから情報が垂れ流しになりゆうきこそ、本をたくさん読み、正しい、良い、情報を自分で選択できる能力を磨かんといかんがです。図書館、こじゃんと大切ですきに、これをないがしろにしたらいけません。国が滅びますよ、まっこと。
さて、ここ三ノ丸は、ついこないだまで石垣の大規模補修工事が長期間行われよりました。写真左端に、補修後の石垣が見えよります。その補修工事の中で、山内一豊さんが築城する以前に長宗我部元親さんが築城した際の石垣が掘り出されました。現在の石垣よりちょっと内側。そこで、今回の工事をきっかけに、こうやって長宗我部時代の石垣を見えるようにしてくれました。これ。このセンス。これぞ文化行政というやつですな。
この石垣を眺めるだけで、長宗我部元親さんがこの石垣の上に立っちゅう姿が妄想できますきに。