クロガネモチ、文化9年の珊瑚の話〔2107〕2009/01/21
2009年1月21日(水)小雨模様
今日は朝から小雨模様の高知です。ですきに、朝はぬくかったですね、こぢゃんと。で、今朝は、昨日に引き続いて上岡八幡宮。参道入り口の鳥居を昨日ご紹介しましたですきに、今日はその横の巨木を下から見上げてみました。すごい枝振りでしょ?これ。この樹について、ひまわり太郎はビッシリギッチリ、クロガネモチと紹介してきましたが、それで合うちゅうがでしょうか。樹にひとっちゃあ詳しゅうないので、実はメッソ自信はないがです。が、このニョキニョキした巨木は、クロガネモチのような木がします。いや、気がしますす。
右下に、昨日ご紹介した鳥居のてっぺんの部分が写っちょりまして、柱と笠木、島木の色が違うちゅうががよく見えます。左下に、灯籠の頭の部分だけがちょびっと写っちょりますが、この灯籠はなかなか古いもので、文化9年であることが刻まれちょります。つまり1812年。お江戸では、爛熟した化政文化華やかなりし頃。弥次さん喜多さんの時代ですな。で、調べてみますと、この年に室戸で、珊瑚の樹が水揚げされちょります。日本で最初の珊瑚の樹。鯨漁師さんがみつけたらしいですね。珊瑚は、その後藩政期は禁制品となり、明治大正と、足摺界隈の海を中心にかなり捕られました。禁制品ということは、密漁で地元は儲けよったということ。
高知を本拠にして小説を書く直木賞作家、板東眞砂子さんが、大正時代の足摺を舞台に「桃色浄土」という小説を書いちょります。なかなか素晴らしい作品ですきに、ぜひご一読をお薦めしますが、この小説の題材があの界隈の珊瑚の話。「お月さ~ん も~も色 だ~れが言うた 海女が言うた 海女の口 ひ~き裂け~」という歌が、高知にあります。かなりポピュラーに歌われよったみたいです。江戸時代、禁止されちょった珊瑚漁を、月灘村(現大月町)でこっそりやりよったことを、海女がどっかでしゃべってばれてしもうた。海女の口を引き裂いちゃれ!」というような意味が込められちゅうらしいですね。板東さんの小説には、この歌がこぢゃんと効果的に使われちょります。
乱獲で少のうなった珊瑚ですが、このクロガネモチみたいにニョキニョキと、土佐の海の底に林立しちょった時代の話です。