上岡のお蔵、懸魚は「水」〔2051〕2008/11/26
2008年11月26日(水)晴れ!
今日も暖かく心地良いお天気。こぢゃんと爽やか。
今朝は南国工場やったので、物部川を渡った野市の上岡八幡宮にもお参りしました。その八幡様のしゅっと南東に、このようなお蔵が建っちょります。この界隈、上岡八幡宮の古さからもわかりますように、昔から集落として栄えてきたようです。今でも、大きな日本建築の由緒ありげな建物とか、豪農のたたずまいの漆喰壁の家とかがどっしこ。その中に、このお蔵は建っちょります。
この蔵の破風のところ、屋根の鬼瓦の下の部分に、「水」という漢字が書かれちょります。たんまに見かけますね、破風の「水」の文字。これ、どんな意味があるがか知りませんでした。
屋根の鬼瓦の下、三角形になっちゅう所に板をつけて、それを破風(はふう)と言いますよね。で、その破風板の下によくある装飾板、それを懸魚(げぎょ)と言うそうです。なかなか読みづらいですな、日本語は。まあ、懸魚は難しいでしょうが、破風は総理大臣には読んでもらいたいところ。彼は何と読むでしょうか。「ヤフー」とか読みそうですな。
さて、懸魚ですが、魚のような飾りをつけた板をここに取り付けることで、「火伏せ」を祈願した訳ですね。魚は水に関係が深い訳で、その魚に、家の大切な場所から見守ってもらうことで、火事にならないように願いを込めたということ。で、庶民の間では、そんな立派な飾りを作るがぢゃあ無うて、大切なモノを保管する蔵に「水」という文字を書いた懸魚をつけるがが一般的になったらしいがです。「魚」とか「懸魚」とかの文字になりそうなもんですけんど、それより直接効果がありそうな「水」にするところが実際的で良いですね。あそこに「魚」よりも、そのものズバリの「水」があった方が火事除けに効果ありそうですもんね。庶民の智恵というか願いというか想いというか。