南国市、斉藤牧場にやまけんさんが来ました〔1883〕2008/06/11
2008年6月11日(水)曇ったり降ったり
今日はですね、昨年の6月3日に週刊アスキーという雑誌の取材で高知を訪れ、このにっこりでもご紹介した山本健治さん、通称やまけんさんが、再び高知へ来てくれちょります。日本の食と農のスペシャリスト。つい先日「日本の食は安すぎる」という本を出されて、なかなかの売れ行きのようです。その、日本の農業と食に関する洞察は鋭く深く、ホントに勉強になります。
今回は、前回の取材でも訪れた、ここ斉藤牧場がお目当て。「日本の食は安すぎる」でもご紹介いただいたこの牧場、日本の「山地(やまち)酪農」の聖地とも言うべき場所なのであります。
今日はあいにくの曇り空やったですけんど、この牧場からは高知の平野や太平洋がが見晴らせます。昭和40年に斉藤さんはこの山に入られました。道をつくり、森林を切り開いてつくられたこの牧場は、斉藤さんの血と汗と涙の結晶ながです。ここの牛は、何世代もここで育ってきた、ここの牧場の独自の種である、というてもエイくらいの牛。ホルスタインながですが、こぢゃんと急峻な牧場の斜面を歩き回りゆうので、かなりスマートで、乳房も小さめ。けんど、これ以上幸せな牛が居るでしょうか。
春夏秋冬、朝も夜中も、一日2回の搾乳時以外がずうううっとこの山を自由に歩き、休み、牧草を食べ、眠りゆうのであります。
この牛から搾られる生乳の量は、普通の酪農さんで飼われゆう牛の約半分。ですけんど、高騰の続く輸入飼料に頼らないこの牧場は、今、ひょっとしたら一つの理想型かも知れません。
が、斉藤さん曰く、苦労をしちゃあせん今の若いヒトは、なかなかこんなことはようせんねえ、とのこと。そりゃあそうです。ものすごいですね、この牧場は。日本に「山地酪農」を名乗ってやりゆう牧場は多いですが、これほど徹底しちゅうホントの山地酪農は他に例を見んがやないでしょうか。理想型ではありますが、ダレマワリようせん、ものすごい酪農が、日本の至宝、斉藤牧場ながです。その生乳を扱わしてもらいゆうひまわり乳業も、こぢゃんと幸せな乳業メーカーなのであります。