稲生の夜明け〔142〕2003/09/05
2003年9月5日(金)快晴
今日もよう晴れちょります。気持ち良い暑さになりそうですね。
あんまし気持ちえいので、今朝もまた高知市南東部へ遠出をしちょりました。高知市の東にある南国市から流れて来て浦戸湾にそそぐ「下田川」という川に沿って遡行してみました。写真は下田川に架かる橋から、稲生(いなぶ)の石灰山方面を撮影したものです。間もなく日の出を迎える空は、青の下に朝焼けがほんのりと美しく広がって幻想的にきれいです。
正面の、右側が急傾斜になった山は、稲生の石灰山。上質の石灰を産出することで有名です。
先日のNHKプロジェクトXで、京都、桂離宮の昭和の大修理に臨んだ男達の話をやっておりました。桂離宮の壁は、芸術性の高い特殊な材料と技法で塗られていたとのことで、この大修理に際して京都一の技術を誇る左官さんが選んだのか、ここ、稲生の石灰でした。
江戸時代中期まで、この近く下田村で、城下の商人が石灰を焼いておりました。規模は小さかったようです。そこへ、阿波の人で石灰頭司(とうじ)の徳右衛門という人物が、四国巡礼の途中に立ち寄ります。病気になって動けなくなっていたのを土地のヒトに助けられたのだそうです。そこで、徳右衛門は、新技法の石灰焼成技術を伝授してくれました。
その後、ここは、下田川の水運の利も相まって、飛躍的に石灰産業を発展させました。
徳右衛門さんは、阿波へ帰ってから、他国に技術を漏らしたということで罪を追い、土佐の方面へ逃げて来ることになったそうです。