54年目の誤植〔7840〕2024/10/02
2024年10月2日(水)晴れ!
10月になり、昨日今日と秋晴れの、朝。空が高く青く。ただ、日中はまだ30℃。暑いねー。今日は午後から雨の予報で、今週ははっきりせんお天気が続きますな。この秋晴れを、堪能しておきたい。
昨日、10月1日のダイヤ改正の話で、1964年10月1日に東海道新幹線が開業したこと書きました。還暦なんですね、新幹線。僕より3つ年下の新幹線は、今もどんどんと改良されながら成長しております。見習いたいねー。
手元には、ヨンサントオの時刻表、つまり昭和43年(1968年)10月号復刻版と、昭和45年(1970年)10月号があります。1970年10月号は復刻版ではなくて、実物。以前、ネットで手に入れました。
60年前の10月1日午前6時、東京駅を「ひかり1号」が発車した訳やけど、1968年10月1日も、1970年10月1日も、午前6時に「ひかり1号」が東京駅を出発してます。その伝統は今も頑なに守られてて、朝6時、東京駅を「のぞみ1号」が滑り出していくんですね。本数は劇的に増えてるけど。
1968年にも1970年にも、「新幹線から四国方面連絡」のページがあります。
1968年10月、東京駅午前6時発の「ひかり1号」に乗ると、新大阪駅9:10着。9:32発の急行「鷲羽3号」に乗り継ぎ、12:47宇野駅着。13:00発の宇高連絡船に乗り、高松駅14:00着で、高松駅14:20発の急行「土佐2号」に乗ると、高知駅に17:18着だ。11時間18分の旅。
1970年10月の時刻表を見てみよう。同じく東京駅を6時発の「ひかり1号」に乗ると、高知駅着が19:29って、なんかおかしい。ちょっとおかしい。随分おかしい。高松駅14:19発の急行「土佐2号」が高知駅着19:29って、いくらなんでもかかりすぎ。5時間以上かかっておるではないか。
今、発見しました。誤植だ。
1968年の時刻表を見ると、高松から高知までの距離は159.4km。1970年のは231.5kmで、窪川が159.4km。そう。窪川駅と高知駅が入れ替わっておるのだ。こんな誤植も当時はあったんですねー。こんなのに気付いて、ちょっと、嬉しい。54年目の、誤植。
現在の時刻表には、こんな「連絡」ページはありません。当たり前やけど、新幹線のページがかなりのページを占める、現在の時刻表。
ちなみに、朝6時東京駅発の「のぞみ1号」に乗ると岡山駅に9:09着。昔、新大阪へ着くのと同じくらいの時間に岡山駅。ところが。接続する高知行きの特急「南風」は、なんと岡山駅10:05発で、約1時間の待ち合わせだ。高知駅着12:29。東京高知が6時間半。岡山駅での接続をちゃんとすれば、6時間かからんのにね。60年前の半分の時間で来れるのにね。今は、朝6時の新幹線に乗って高知へ、というような人は想定してない、ということでしょうな。
東海道新幹線が還暦の誕生日を迎え、新幹線網が全国に広がる。そんな中、地方の公共交通は、便数や路線を大幅に減らし、不便になって利用客が減り、という「負のスパイラル」が加速する。
国鉄監修交通公社の「時刻表」が書店入り口に平積みされてた時代、可愛らしい誤植があった時代に想いを馳せる、秋の朝。