穿入蛇行と鮎〔7786〕2024/08/09
2024年8月9日(金)晴れ
昨日の夕方の地震。ちょっと、ドキドキしました。南国市では揺れを体感することもなく、ニュース等で流れる津波情報を聞いてました。そして、いち早く、南海トラフ巨大地震への影響に関する検討会が開かれ、初めての「南海トラフ臨時情報」の「巨大地震注意」が発令されたのでした。まあ、順当でしょう。プレート境界による地震なので、なんらかの影響が南海トラフ巨大地震にあるかも知れないし、無いかも知れない。ここは、少しだけ注意喚起をしておかんといかん、そんな感じ。
なんせ、この世の中はべき乗則でできているので、巨大地震がいつどこで発生するかは、絶対に予測不可能。専門家はそれを知っているから、こういった対応になるのはやむを得ないと思います。まあ、まずは、地震への備えを確認しましょう。
プレート境界の地震。フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む際、その跳ね返りが地震になる訳で、フィリピン海プレートの北上がポイント。北上を続けていたフィリピン海プレートは、今から300万年ほど前、巨大な太平洋プレートにぶつかります。小さいフィリピン海プレートは、そこで少し西へと方向を変え、北西方向へ進路をとる。それにより、付加帯である四国にも大きな影響が現れた話は、幾度も書いてきたのでみんな知ってるよね。
そんな影響のひとつに、高南台地の隆起や、仁淀川中流域の隆起が、あります。ブラタモリの四万十川編でやってたとのことやけど、四万十川のあの蛇行は「穿入蛇行」。大河川の蛇行は、通常、平野部で出現します。高低差がないのでクネクネ流れる訳だ。そんな蛇行部が急激に隆起することにより、山間部に蛇行した河川が出現する。それが穿入蛇行。
同じメカニズムが仁淀川にも働いて、かつて平野部を蛇行していた仁淀川が、隆起により山間部で蛇行する川になったという話ね。このGoogleマップ見ても、その蛇行がよくわかる。
一番わかりやすいのが、名護屋の沈下橋の界隈で、なかなかすごい蛇行になってます。
今朝の写真は、その急カープの部分から撮影したもの。右端の遠くには、名護屋の沈下橋。
この蛇行により、渕と瀬が交互に現れる川になりました。黒瀬、柳瀬、楠瀬、勝賀瀬という地名がありますね。この環境が、鮎を育むのに適していて、ここの鮎はおいしい、とされてます。まさに、フィリピン海プレートの西向き成分により育まれた、鮎だ。
ここから日下方面へと抜ける山道は、ゴルフをする方にはお馴染みの道。そこは僕の大好きな蛇紋岩地帯で、その北にはチャート、石灰岩と豊富な地層がつづく。日高村は、ある意味、素敵なジオパーク。今日のネタも、日高村の岩石愛好家、Oさんに教えてもらった話。まだまだいっぱい、ネタはありますので、また、追々。
プレート移動は、地震や噴火などの災害をもたらすけど、普段は、その恵みを受けながら暮らしている僕たち。地球で生きる、日本列島で生きる、高知で生きるとは、そういうこと。