東京馬車鉄道〔7741〕2024/06/25
2024年6月25日(火)小雨
1882年(明治15年)6月25日、つまり142年前の今日、東京馬車鉄道が、新橋と日本橋の間で営業を始めた、とウィキにありました。路面電車の前進となる馬車鉄道は、その後、明治の東京を代表する公共交通として栄えます。当初の停留所は汐留、新橋、日本橋だけやけど、どこでも乗れたりどこでも降りれたという便利な乗り物だったそう。いい時代やねー。
営業も好調で、どんどんと路線を延ばしていった東京馬車鉄道。
開業20年目の1902年(明治35年)、日露戦争の2年前には、車両300両、馬2000頭を擁していたというからすごい。東京市内、馬だらけ。1時間に60台ー70台という過密ダイヤにもなった東京馬車鉄道やけど、やがて電車の時代が訪れる。
京都を路面電車が走ったのが1895年(明治28年)で、それから各地に路面電車が走り始める。東京馬車鉄道も、糞尿や蹄による道路の痛みなどの苦情もあって電車に置き換えることを決断。事業者は、東京馬車鉄道が社名を変更した東京電車鉄道など、いくつか設立されて、結局は1911年に東京市電となった、路面電車。そのルーツは、東京馬車鉄道。
馬車から電車に切り替えたのは、1903年(明治36年)8月の品川ー新橋間が最初。で、すごい勢いで電化を進め、翌年には全部の路線の電化が完成、馬車は消えて電車に切り替わったと言います。2000頭の馬、どうしたんでしょうね。気になりますね。
興味深いのは、軌道幅。
理由はなかなかわからんみたいやけど、東京馬車鉄道は、その開業時から1372mmという軌間で営業してます。イギリスから客車を輸入していたからでしょうか。1372mmは、スコットランドとかで使用されていた軌間やけど、もうその頃になるとイギリスも標準軌の1435mmに変わっていたので、なんで東京馬車鉄道が1372mmになったのかは、謎だ。
日本の鉄道は、新橋横浜開業以来、基本は1067mmの狭軌が採用され、狭軌でなければ標準軌の1435mm。土電の電車も、1067mm。
ところが、馬車鉄道で採用された1372mmは、路面電車になっても引き継がれ、夥しい路線を有した東京都電の軌道は基本的に1372mmになったのでした。その影響で、乗り入れなどを目指したりした地下鉄都営新宿線とか京王電鉄とか、あと東急世田谷線とかは、今も1372mmの軌間が使われてます。都電荒川線も、もちろん1372mm。軌間が特殊だと、乗り入れとかでなかなかに不都合が生じる訳やけど、その原点は、142年前の今日にあった、という訳やね。
写真は今朝、5時過ぎの、とさでん交通の電車軌道。知寄町1丁目電停付近。もちろん1067mm。路面電車でも、広島の広電などは1435mmの標準軌やけど、1067mmが多いよね。
東京馬車鉄道によって採用された1372mmは「馬車軌間」と呼ばれ、東京市電、都電に引き継がれ、今も東京に残されており、「東京ゲージ」と呼ばれたりもしているのでした。どうでもいいですか?