熱湯の金魚、茹でガエル〔7720〕2024/06/04
2024年6月4日(火)晴れ!
今朝も高知新聞。
一面で特集されている「明日の足」も、今日で「第6便」が終わり。なかなかにやるせない感じの終わり方。地方の公共交通は、本当に待ったなし。この議論では、どうやってバス路線や電車を残していき、人々の生活を維持していくか、みたいな話ばかりやったね。でも。幾度も書いてきたように、そして富山市の担当者が言うているように、負担でも事業者の救済でもない将来の「まちづくり」としての視点。これが、今、一番求められているんではないか、などと思う訳ですね。
そんなことを思いながら「小社会」を読むと、フランスの月刊誌「ズーム・ジャポン」編集長クロード・ルブランさんの話が書かれていました。「外国人観光客が田舎の魅力に気付くのはこれから。日本有数の美しいローカル線を廃止するなんてナンセンスだ」と、JR予土線存廃論議を嘆く。
フランスは、1980年代のミッテラン政権から、地方分権に舵を切り、それを憲法に明記した、とあります。これだ。憲法はともかく、こないだも書いた人口減少対策とか、地方分権とか、地方の活性化とかに対して、フランスは「本気」なのである。日本より先に人口減少を経験し、都市集中を経験したフランスの、本気。
このコラムにあるように、日本では、口では「地方創生」とか「人口減少対策」とか言いながら、なんか、「言うてるだけ感」が否めません。いや、本当にそう思う。
「日本の政治家は過疎化を嘆く一方で、過疎を加速させるあらゆることを行なっている」というルブランさんの言葉は重い。
東京で、霞ヶ関で、永田町でどこか遠い国の話みたいに口先で「人口減少」や「地方創生」を唱え、やってる感じだけを醸し出し、実際は目先のことだけしか考えない、やらない。これはちと、情けない国家の姿。
「明日の道」第6便最終回のやるせない結末にこのコラムをぶつけてきたのは、高知新聞さんの想いでしょうか。
フランスのように、はやく、「本気」を出さないと、日本は、熱湯の金魚、茹でガエルになると考えさせられる、今朝の高知新聞一面。