壮大な実験〔7586〕2024/01/22
2024年1月22日(月)晴れ
今朝もぬくいねー。しかし、予報を見ると明日から冷え込んで、明後日の朝の高知市の予想最低気温は-2.5℃。この急激な変化についていかせることが、この、還暦を過ぎた身体に求められている今日この頃、いかがお過ごしてでしょうか。
会社では、この「日経MJ」という新聞も購読してます。正式名称は「日経流通新聞」。流通業界に特化したニュース、トピックを集めた新聞なので、勉強になります。
で、今朝の日経MJの一面が、これ。なるほど。随時掲載の「みらいへのダイヤ」という特集を、一面トップにもってきました。メキシコ、ユカタン半島に突如出現した、全線開通すれば東京ー鹿児島中央間よりも長くなるという観光列車の記事。これはなかなか、興味深い。
ロペスオブラドール大統領の強い強い指導力で主導し、突き進んでいる鉄道計画。なんで、そうなったのか。
そもそもユカタン半島界隈、6600万年前に巨大隕石が落ちたことでも有名やけど、マヤ文明の遺跡など、魅力的な観光地に事欠かない素敵な場所。そこへの観光客誘致で目を付けたのが、鉄道だった、という訳だ。では、メキシコでの鉄道事情は、と言えば。輸送人数に輸送距離を掛け合わせた輸送実績で見てみよう。
1985年 60億1400万人キロ。
2005年 7300万人キロ。
たった20年間で9割以上、減少してます。これは、自動車や空路の普及に、鉄道の民営化が拍車をかけた数値と言われてます。その後、少しづつ復権し、2018年実績では15億9100万人キロまで戻ってきた、とのこと。戻ってきた、というのが、すごい。
今回のルートの開業により、飛行場があってビーチリゾートとして大成功していたカンペチという点の観光地から、面の観光地へと拡大していくことが期待されている訳だ。
そしてメキシコ政府は、旅客鉄道の復活を目指して新たに7ルートの復活をする、と発表。
民間のことは民間で、などと言っていると、決して実現しなかったであろう、新しい試みですねー。
この記事でも、日本のことに「ローカル線で訪日周遊描け」と言及。そう。これからの脱炭素社会、高齢化社会の中、日本でも、公共交通のあり様はみんなで考える時期にきていると、思う。もちろん観光事業もからんで。
こないだ、イギリスからやってきた畜産農家の青年が、おきゃく電車に大喜びだった、という話、書きました。外国から来た方々は、基本、公共交通機関で移動するし、鉄道を使った観光開発は喫緊の課題だ、と思うのは鉄分の濃い僕だからではないはず、と思っていたので安心しました。なんせ、日経ですきんね。
欧米諸国には、日本ほど、公共交通の自主独立採算を声高に叫ばれている国は、ない。公共交通は、社会のあり様を決定づけるもの。取り敢えず、メキシコからは眼が離せない。