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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

90kmの隆起〔7574〕2024/01/10

90kmの隆起

2024年1月10日(水)薄曇り

連日の地震、地学話です。

今朝の日経新聞に、能登半島北岸が90kmにわたって隆起し、約4.4平方キロの新しい陸地ができた、という記事が載っていました。最大隆起が4m。これにより、港湾の内部が陸地になってしまい、使えなくなった漁港がたくさんある、という記事。本当に、心より、お見舞い申し上げます。

 

能登半島は、北前船の泊まる港もあり、昔から海運で栄えた土地。そもそもその繁栄は、海上交通によってもたらされたもので、陸上輸送が主役になった現代では、大都市部から隔絶された場所になっていった訳です。その為、支援活動にも多大な支障が出ていますね。

では、能登半島の港には、かつてそんな隆起による被害がもたらされたことは無かったのかと考えたとき、恐らくは、歴史時代に入ってからは、そんな地震や隆起は無かったのではないか、と考えられます。

 

昨日も紹介した、産総研地質調査総合センターの研究では、過去6000年以内に2度か3度の大きな隆起が確認されています。僕も地理院地図の陰影起伏図で見てみたけど、こんな感じで、その二段になった段丘が、大きな隆起の痕跡を示しています。

そういった隆起の証拠が他にもないか、と、能登半島北岸を見ていくと、こことかこことかに、ありました。段丘の高い部分は約7m。計算すると、極めて大雑把に言えば2000年に一度の大きな隆起。つまり、前回の隆起のときは、まだ日本は弥生時代で、文書記録が残っていない。そういうことか。

 

南海トラフの地震が発生する周期は、100年とか200年とか。だから、幾度も記録されているし、人々の記憶も伝承されていく周期。ところが能登半島のように2000年に一度という周期は、まだまだ歴史が浅い人類にとっては、未知の領域だった、ということかも知れません。

ただ、近年よくわかっていないメカニズムで群発地震が発生していた地域なので、海岸域の断層調査などをもっと詳しく実施し、木造家屋の耐震などをやっておれば、違った結果になったかも知れないのに、と思うのは結果論でしょうか。

 

写真は、今朝の物部川河口。この浜辺の地形は、僕がここで写真を撮り始めてからでも、劇的に変化してきました。そもそもこんなに段々になってなかったし。自然地形は、人間の手が加わらなければどんどんと、変わる。しかし、過去の事象をキチンと記録してくれている自然地形も、ある。

 

今までこうだったから、歴史ではこうだったから、は、地球の時間の中ではあまりにも短い「歴史」。未知の断層調査や地形の研究には、もっともっと力が入れられるべきなんでしょう。

リニア工事の問題も原発の問題も、これほどまでに蠢く列島の上に暮らしている、ということを前提に考えていきたいね。

大隅半島や薩摩半島が火砕流で覆われ、南九州縄文文化が壊滅した機械カルデラ大噴火は7300年前。阿蘇山が巨大噴火して、火砕流が海を超えて山口県まで到達したのは、9万年前。そんな列島に、僕らは暮らしている。


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