御厨人窟で検証すると、新しい妄想が〔7500〕2023/10/28
2023年10月28日(土)晴れ!
こないだ、室戸岬の「御厨人窟(みくろど)」で、以前に妄想した空海さんのことを検証してきました。洞窟の向きは、夏至の日の出とかとは全然関係なくて、あの妄想はタダの妄想だった、というお話。
ただ。それはそうとして、この洞窟から金星が見える時期というのは、結構限られるのではないか、そうであるとするならば、空海さんが悟りを開いたとされる時期がある程度特定できるのではないか、と思い立って、今一度検証してみることにしたのでした。
とにかく僕は、1230年前に空海さんが見た風景を、見てみたいのであります。
幾度か書いたように、空海さんの時代には、海水面が今より6mほどは高かった。なので、この洞窟から見えた海は、今よりずっと、近かった。それはもう地学的に間違いない話。
空海さんが修行の為に室戸へやってきたのは、ネットとか見ると、結構いろんな説があって特定しづらい。空海さんが都の大学を去って「三教指帰」を書く、791年から797年までの間は間違いない。その間で、明けの明星がこの洞窟から見えるのは、792年と794年の夏から秋にかけてに絞られてきます。星座アプリで、確認しました。
そして、やはりここは、高野山金剛峯寺さんのHPを見てみんといかんでしょう。見てみました。これの、御出家に至る文章を読むと、天体の状況に鑑みて、恐らくは792年で間違いなさそうだ。
そして洞窟の向き。スマホのコンパスって、実は結構間違います。なので今日は、普通の方位磁石を持っていって、確認しました。そして洞窟は、偏角を計算すると、ほぼ、真東を向いていることが判明したのであります。
こうなると、青年空海が修行したのは、その方向の低い位置に金星がある時期、ということでかなり絞られてきました。
ただ、9月初めくらいから11月初めくらいまで、色んな状況が想定できます。
そして、すごいことを発見してしまった。その星座アプリは、天体のいろんな動きが表示されるのでありますが、その中に「流星群」があります。
9月1日頃には、金星の近くに「かに座昼間流星群」。9月末くらいになると、金星のすぐ横に「ろくぶんぎ座昼間流星群」。「昼間流星群」というのは、基本的に昼間飛んでくるので見えないけど、夜明け前には見ることができるんだそう。流星群って、年によっていっぱい飛んだり飛ばんかったりしますよね。
そこで妄想。空海さんは、こないだも書いたように「明けの明星が身体の中に飛び込んできて」悟りをひらいた、とされてますよね。金星が飛び込んでくる、という超常体験。流星群というのは、ある点から放射状に流星が飛ぶもの。いかがだろう。金星の近くに流星群の放射点があったら、金星が飛んでくるように見えないだろうか。そしてその年、どちらかの流星群が、かなり活発であったとしたら。
792年の秋、満18歳の青年は、室戸岬の洞窟で虚空蔵求聞持法の修行を行う。洞窟から見える水平線の上に、輝く金星。虚空蔵菩薩の化身、明けの明星。突然、その金星から放射状に星が飛んでくる。そして口から飛び込んでくる。真言一万回の成就の証として。
これが、1231年前に、この洞窟で空海が体験したことだったら、すごい。すごいね。いや、妄想ですが・・・