鉄道輸送で世の中、変わる(妄想)〔7462〕2023/09/20
2023年9月20日(水)薄曇り
今朝の日経新聞読んでたら、こんな記事がありました。
「JR東日本が荷物新幹線、即日輸送 1車両でトラック4代分」
こないだ、新幹線で貨物輸送を、てな話を書いたばかりなので、非常にタイムリーな記事でした。一緒に飲んだ代議士さんも言うてましたが、新幹線で貨物輸送の議論は少しづつ、進んでいるようで、嬉しい。
そもそも。よく言われるのが、国鉄時代、スト権ストが大きなきっかけになって、国鉄貨物からトラック輸送へと世の中が大きくシフトした、という話。実際どうだったのかは知らんけど、確かに、そういった側面はあるんだと思う。時代の流れに国鉄の労働組合が置いて行かれた感じでしょうか。
時は流れて令和の今。社会の姿も大きく変容し、昔にはなかった新たな課題が山積するようになりました。例えば環境問題。例えば労働力問題。例えば交通インフラの問題。
1987年、国鉄が分割民営化されて、日本貨物鉄道が発足してから、鉄道での一般荷物輸送は「失われた数十年」を過ごしてきた感が、あります。あまりにも負の遺産が大きかったので、完全に進化が止まってしまい、場合によっては退化した、鉄道輸送。
しかし、時代は変わった。
やっと、JR東日本が荷物新幹線の取り組みを始めるようになった訳やけど、まだまだ始まったばかり。記事によりますれば、今回始めるのは小口荷物の大量輸送。JR貨物は大きくて重いもの、という差異化を図るそうやけど、将来的には統合していって欲しいよね。JR各社間の輸送をどうするか、という問題もあるけど、これも統合しないと不便極まりないし。そろそろ、「組合問題に端を発した分割」の呪縛から解き放たれる時代が訪れているのではないだろうか。こんなことに一番興味のなさそうなJR東海にも、リニア開通後には、東海道新幹線での荷物輸送を考えてもらわんとね。
今回、まず、既存の新幹線車両を利用し、座席足元に荷物を置く、という方法らしいけど、当然ながら、将来的には色んな荷物に簡便に対応できる車両が開発されるでしょうね。荷物の積み下ろし、在来線貨物輸送への接続、ターミナル駅からトラックへの積み替え、クールへの対応などなど、便利な方法と道具ができていくと、世の中、変わる。ヤマト運輸さんが世の中変えたように。
鉄道、新幹線を組み合わせて末端だけトラック輸送。これは2024年問題にも対応するし、地球環境にもやさしい。貨物輸送を組み合わせることで、旅客輸送も維持できる。スピードが速いので、弊社の低温殺菌牛乳も運びたいねー。
これからの社会をどうするのか、という壮大な設計図の元に、全国規模の荷物新幹線、鉄道輸送の姿を描きたい。うまくやれば、世の中、変わるよ。
写真は今朝の土佐山田駅。陸橋の上から、東の方向を撮影。向こうに「YANMAR」と書かれた建物ありますよね。ヤンマー関連会社の工場。かつて、土佐山田駅からあの工場まで引き込み線がありました。今もその痕跡カーブが残ってます。
国鉄時代のことは色々言われるけど、高度成長の中で、今よりも柔軟な対応をしていたことも、あったのでした。これからも、個々の利害や企業の障壁を越えて、柔軟な対応で日本の輸送、そして世の中を変えていきたいよね。