介良野ではじまった稲刈り〔7400〕2023/07/20
2023年7月20日(木)薄曇り
今年もはじまったねー。はじまりました。稲刈り。高知平野の田んぼでは、稲穂が黄金色に色づき、頭を垂れ始めています。はやい田んぼは、もう、稲刈りだ。
ここは介良野。向こうに見えるのは高天ヶ原山。今は稲荷神社さんが鎮座まします標高107.5mの山やけど、頂上付近にはたくさんの古墳。この稲刈りが済んだ田んぼ界隈からは、弥生前期、弥生終末期、そして古墳時代の集落跡が出てきてます。特に弥生終末期には、かなりの人が暮らしてたと思われる、介良野。
この地形分類図見たらわかるけど、かつての河川の流れによってつくられた自然地形があって、その地形をそのまま利用して農地がつくられてます。なので、田んぼもこんな感じで不定形。四角くないね。
香長平野には香長条里というものがあって、広大な面積にわたってキレイな条里制が布かれ、幾何学的な風景をつくってます。が、この介良野、東の伊達野、住吉野にかけては、条里がない。幾度か書いてきたように、班田収授の時代、ここに田んぼは無かったのでしょうかね。
今は、介良野、伊達野、住吉野は稲作地帯。それも極早稲。稲刈りが早い高知の平野でも、この界隈はとりわけ、はやい。まだ梅雨明けもしていない7月20日に、この風景ですきんね。県外の方が見たらビビるでしょう。
ここの田んぼ、いつ稲刈りしたんだろう。まだ、刈ってからそんなに経ってないと思う。何故なら、稲刈り直後特有の匂いがするから。炊き立てご飯のような匂い。僕の好きな匂い。
1960年代の航空写真を見てみよう。まだ、南国バイパスも、ない。中野団地の造成が始まってますね。船岡山の珪石の採掘は始まったばかり。それから60年経過するけど、田んぼの形は変わってないねー。ひょっと、地形は、班田収授の時代から変わってなかったりして。その可能性は、あります。
伊達野では、去年まで田んぼだった場所に生姜が植えられてたりします。ここの田んぼでも、その向こうに植えられているのはオクラ。オクラや生姜はお金になりますきんね。手間はかかるけど。
この地形の土地で、弥生の昔から人々は暮らし、なにかを作り、生きてきた。極早稲米をつくるのもオクラや生姜をつくるのも、そこで暮らす人たちの、知恵。すごいね。
この週末、高知での稲刈りは本格化します。