西向き成分のおかげ〔7329〕2023/05/10
2023年5月10日(水)晴れ!
今日も良いお天気。今日は県庁で用事があるので、そちらへ向かってます。が、途中のこの橋から浦戸湾を見るたびに、フィリピン海プレートの動きと地形、そして太古の昔の風景を思い描いてしまうのは僕だけでしょうか。たぶん僕だけです。
えーと、以前にも書いたけど、2万年前のここには、深い渓谷のような風景があったと思われます。今よりも海水面が100m以上低かったので、ここに海はなく、四国山地から流れ出てくる川が谷間を流れ下っていた風景。地球の気温が上昇し、極域の氷が溶けて海水面が上昇し、こんな風景になりました。現在の浦戸湾の海底には、四国山地から1万年以上かけて流れてきた土砂が堆積してます。もちろん高知市の市街地も、そうやってできたもの。鮮新世の地球の営み。
では、数百万年単位でみた営みはというと。
300万年前、北上してきたフィリピン海プレートの東端が太平洋プレートにぶつかる。その為、フィリピン海プレートは動く方向を北西に変えざるを得なかった。動きに「西向き成分」が加わったせいで、瀬戸内海に諸島と灘が交互に存在する風景ができた話は以前にも書いたよね。着いてきてますか?
南海トラフ地震が発生すると、トラフに近い陸側プレートは、跳ね返りによって隆起する。それは、地殻物質がトラフ、海溝の方へ移動する、ということなので、陸側プレートのトラフ、海溝から遠いところで質量欠損が生じ、そこが沈降する。そんなメカニズム、らしいです。
三陸のリアス式海岸は、谷の発達した山地が、そんなメカニズムで沈降を繰り返すことによってできたもの。と、すればだ。
南海トラフの場合、海側プレートが北上に西へ動く成分が加わったことで、トラフに近い室戸岬が隆起し、少し離れた高知市界隈が沈降する、という現象が起きているのではないか。土佐湾は、そんな隆起と沈降でできた湾なのではないか。
そして。この浦戸湾も、そんな沈降によってできた地形で、もし市街地に土砂堆積がなく、今より海水面が高かったら、立派なリアス式海岸になってたのかも、知れない。
もし、フィリピン海プレートの動きに西向き成分が加わっていなかったら、ここにこんな美しい風景が広がることはなかったのか、などと、いつも思ってしまうのは僕だけでしょうか。たぶん、僕だけです。
そんな妄想をしている場合ではなく、お仕事お仕事。さあ。県庁へ行こう。