人類の起源と進化と絶滅の歴史に学ぶ〔7166〕2022/11/28
2022年11月28日(月)薄曇り
今朝、しみじみ思うけど、ホントに、世の中って一寸先はわからない。何が起きるかわからない。だから大変やけど、そうやって人類は進化してきた訳で、それこそが人類とも言える訳で、そうでなかったら生物は進化なんかしなかった訳で、いろんな必然や偶然の果てに、僕らは存在し、暮らしているんだと思う、月曜日の朝。
こないだ書いたように、今年のノーベル医学生理学賞を受賞したのはスバンテ・ペーボ博士。2015年に読んだ「ネアンデルタール人は私たちと交配した」は衝撃的でしたもんね。さすがさすがのノーベル賞。
そして、ペーボ博士の取り組みは、世界中の研究者を刺激し、人類の起源、進化について、今、とんでもないスピードで研究が進んでいます。それまでの考古学や進化生物学が進んできた歩みを、DNA解析が劇的に変えた、とも言えるのでありましょう。
「ネアンデルタール人は私たちと交配した」を読んだときは、ホモ・サピエンスがアフリカを出たときに、ネアンデルタール人と交配する「機会」があったのか、くらいの認識でした。ところが。この「人類の起源」という新書には、それ以後の最新研究の成果が描かれていて、状況はもっともっと複雑であったことがわかってきています。
ホモ・サピエンスは、ネアンデルタール人やデニソワ人と、いろんな場所で、いろんな時代に、かなりの交配を繰り返しており、現代人は、その結果としての多様性を持っている、ということ。ひょっとしたらもっとほかにも「人類」がいたのかも知れないし。今後の研究が進むことで、もっともっとその複雑な状況が明らかになるだろうし、もっともっと謎が増えるんだろうと思うと、ワクワクするね。
DNA解析等で、現代の地球上にで暮らすホモ・サピエンスは、6万~5万年前にアフリカを出た集団が、ネアンデルタール人やデニソワ人などと交配しながら広まったものであるということがわかっています。それは、以前から言われていた話で、それはほぼ、間違いないところ。ところが、それとは別に、数十万年前にホモ・サピエンスとネアンデルタール人が交配していたことがわかり、一気に様相は複雑化したのでした。
そこで、極論かも知れんけど、こんな説も成り立つ、と、この本に描かれています。
「ホモ・サピエンスの最初の祖先はアフリカではなくユーラシア大陸にいた。ユーラシアにいた原人の集団の中からホモ・サピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人が生まれ、30万年前以降にアフリカへ移動したホモ・サピエンスのグループが、のちに世界に広まるホモ・サピエンスの祖先となった。ユーラシアに残ったグループは、ネアンデルタール人と交雑した後、絶滅した。」
なるほど。いや、これは、そんな説も成り立つ、という話ね。つまり、これからの研究で、何がわかってくるのか想像もできない、ということであり、世の中、僕らの知らないことだらけ、という話なのでした。
話は変わるけど、2045年、AIの性能が人類の知能を超える「技術的特異点」に到達するという説がありますよね。シンギュラリティ。まあ、これが提唱されたのは1990年頃なので、想像を超える社会に突き進む現代に於いては、もっと切実なのかも知れません。
僕らにとってはそんな話はSFで、「火の鳥」であったり「アキラ」であったりする訳やけど、実際、どうなるんでしょうかね。人類は、進化と交雑と絶滅を繰り返してきて、今はホモ・サピエンスだけになり、全盛を迎えている。そんな歴史に鑑みて、AIによってで社会ができあがった場合、ちょっとだけ背筋が寒くなるのは、僕だけではないと思う。
歴史を学ぶことは、これからのありようを学ぶことであるとするなら、人類進化の歴史について、人類はもっと学ぶ必要があるんではないか、と妄想する朝。
それはそれとして、月曜日。さあ。夜が明けてきました。頑張って仕事を始めよう。