蔵福寺島のトーチカ〔7093〕2022/09/16
2022年9月16日(金)晴れ
台風が気になるけど、今朝はよく晴れました。ここは物部川沿い、南国市蔵福寺島。
この地名は、慶長年間までこの土地に存在した遍照山円樹院蔵福寺にちなむもの。「島」がついているのは、ここが物部川の中洲のような土地だから。
遍照山というのは、なかなか興味深い。南無大師遍照金剛は、四国に住む者にとってはお馴染みの言葉で、遍照金剛は、変わることなくあまねく照らす、みたいな感じでしょうかね。いや、個人の解釈です。とにかく遍照は金剛で、この土手からは金剛童子はおわします金剛山(三宝山)に昇る日の出を見ることができる訳で、遍照山というのが気になった訳だ。どうでもいいですか?
いや、今日は金剛の話ではなくて、トーチカ。
ここに、このような結構大きいトーチカがあります。トーチカは、戦時に、兵士たちが敵の攻撃から身を隠しつつ、攻撃する陣地みたいなもの。先の戦争では、大きなのから小さいのまで、いろんな種類のトーチカがたくさん作られました。
南国市は、海軍航空隊があったこともあり、米軍機の攻撃が激しかった為、たくさんのトーチカが作られ、その一部が今も残っています。空港近く、物部川土手下にあるトーチカはこんなに小さいけど、前浜の海岸に構築されたものは結構大きい。
で、海岸や飛行場からは結構離れているこの場所に、かなり大きめのトーチカが作られていたのは、何故だろう。米軍機の飛行ルートやったんでしょうか。
ウィキで「トーチカ」を入力すると、「鉄筋コンクリート製の防御陣地を指す軍事用語」と説明されてました。ロシア語なんですってね。確かにロシア語っぽい響き。英語ではピルボックス(Pillbox)らしいけど、日本ではどういう訳かトーチカと呼ばれます。
で、鉄筋コンクリート製と書いてるけど、この蔵福寺島トーチカは、壁面は川石を積み上げたつくりになってます。こんな感じで。戦争末期、圧倒的な資材不足の中で、石積みでつくられたのかも知れません。石積みのトーチカ。石積みのトーチカって、なんか、戦国時代の陣地みたいね。強度も弱かっただろうし、ここを米軍機に直撃されたらヤバかったんではなかろうか。
このトーチカの中は、今はガラクタが詰め込まれています。こういうところやね。これが戦争の遺跡、ここにも戦争があった痕跡であることを、ここを通る子供たちは知っているんだろうか、と思ってしまう。
南国市以外でも、御畳瀬の道端にあったりするけど、どのトーチカも、ただ、そのまんま、放置されてます。
夏草や 兵どもが 夢の跡