裏日本と称された時代〔7083〕2022/09/06
2022年9月6日(火)風が強い
台風11号、韓国沿岸を通過してます。これだけ離れちょったらそんなに影響ないだろう、と油断したらいけません。今朝の高知、未明から強風が吹き荒んでいます。瞬電もあったようで、早朝から機器の電気トラブル復旧で、皆、頑張ってくてれました。お陰で出荷には支障はなく、いつもは淡路島経由の関西便トラックが、今日は瀬戸大橋経由になっているくらい。物流担当者は、鳴門大橋強風通行止めを予想してて、昨日のうちから瀬戸大橋経由を決断してました。さすがやね。
高速道路情報見ても、通行止めになっているの鳴門大橋だけ。あの場所は仕方ないよね。昔から、波と風が強い難所で有名な鳴門海峡ですきに。
写真は、朝4時過ぎの堀川河口。川沿いに植えられた桜の樹が強風に揺れ、堀川の川面も波立っている、朝。雨は降ってないので、強風の中出勤しても濡れることはありません。
これだけ離れた高知でこれですきんね。北九州とか山陰とか、大変だと思います。もちろん韓国南部の皆さんも。被害のないことを、お祈り申し上げます。
どうやらこの台風、日本海を通り抜けていく模様。日本列島でも、特に日本海側ではまだまだ注意が必要ですね。今、「日本海側」と書きながら、そう言えば昔は「裏日本」などと言うておったことを思い出しました。今では考えられない表現「裏日本」。僕が子供の頃は、天気予報でも普通に使われていた「裏日本」。こういう表現を使ったところに、日本人の社会感覚の拙なさが表れていますな。
ウィキにはちゃんと「裏日本」という項目が立っています。それによると、明治28年に矢津昌永という地理学者が使ったのが最初らしい。それまでは「内日本」「外日本」が一般的だったんだって。それもそれやけど、「裏日本」よりは随分ましだ。
明治維新で中央集権が進み、東京を中心とする文明開花こそが善だとされる風潮の中で、そういう表現が生まれる土壌が培われてきたんでしょうかね。
南北を逆さにした地図を見たら、古来文化の先進地域であった大陸から見れば「表」は日本海側で太平洋側が「裏」に見えるのは、よく知られています。新潟が、日本で一番人口の多い県であったのも、この地図見ると理解できるし。
明治の空気感の中で編纂された「大言海」には、こんな説明が。
【表日本】我が国中、凡そ中央の大山脈を境として、太平洋に向いたる地方の称。これに反して、日本海に向いたる地方を裏日本という。
今の若い人たちは、かつて「裏日本」という呼称が普通に使われていたことも知らんでしょうねー。「台風11号が裏日本を暴風域に巻き込みながら北上するでしょう」といった天気予報が為されていた、そんな時代を。世の中、良くなるところは少しづつ良くなっています。