鉄道と学校給食〔7041〕2022/07/26
2022年7月26日(火)晴れ
今朝の高知新聞一面トップの見出し。
「地方鉄道存廃3年内結論」「国主導で地域協議」
なるほど。地方の赤字路線をどうしていくのか、国主導で結論を出していこう、ということね。で、JR四国では、存廃協議の対象になるのが、予土線はじめ4路線あるんだそう。関係する自治体としては、廃線が前提となるのなら議論に参加したくない、というのが本音でしょうね。写真は土佐くろしお鉄道の始発列車。本社棟2階から撮影。今回の存廃議論対象には、「第三セクター」は含まれないので、そこは安心。
不採算路線だから廃止する、というのは、民間企業ということになっているJRとしては当然の議論かも知れんけど、社会的公共インフラでもある鉄道を、そういう議論だけで切り捨てていいのか、という難しい問題があるので、ある。
いつも思うけど、JR四国やJR北海道が赤字で、国庫補助で成り立っているのは、JR四国やJR北海道の経営陣が悪いのだろうか。JR東海が儲けているのは、その経営が素晴らしいからなのか。否。民営化の際に、このような結果になることはわかっていて、やった訳だ。そこがそもそもの、失敗だと思う。日本という国土、社会のありようとしてね。
現在のように大都市一極集中が進み、地方の衰退が進んでいるこの国。ここまで極端にそんな状況が進んでいる国も、そうはないと思う。それは、政策を決める人たちが都会に居て、地方からの「お願い」「陳情」に対して上から目線で「対処」しているからだと思うんですね。でも社会って、そうではない。国土全体を、みんなで考えないと。
鉄道の存廃を考えるときには、その社会がどうなるのか、という社会学的アプローチが必須で、今までの検証が必要。そして、これからの日本の社会をどうするべきか、どうあるべきか、という議論をしないと、廃線→不便になる→バス輸送→不便になる→不便なので使わない→バス廃止→不便なので人が居なくなる、という恐怖の負のスパイラルに陥っていくことは、目に見えてます。
実は、意外と思われるかも知れませんが、学校給食とかでも、似た状況があります。学校給食用牛乳って、今は、毎年の市町村単位での「入札」で供給業者が決まります。すると、過疎地域などの条件不利な場所では、当然入札価格が高くなる。高くなるだけならいいけど、応札ナシ、という状況も現れることになります。これから少子高齢化で益々そんな状況が発生してくることが予想され、子供たちの健康や教育機会の平等などの観点からも、今のままではダメだと思われます。
さあ、どうするか。
ひとつは、入札ではなく、都道府県全体でうまく業者を割り振ってコントロールするやり方。
もうひとつは、都市部と過疎地をセットにして、条件の良い都市部に供給したければ、過疎地にも供給義務が発生する、というやり方。
この考え方って、鉄道存廃議論と似てると思うんですね。この辺に、ヒントがあるのかも、知れない。重要なのは、全体で考えること。上から「やってやる」のではなく。どういう社会であるべきか、地方がどうなっていくべきか、を、全体で考える。
JR各社をひとつに統合して、その本社を江川崎に置いたらいいのに。