N型遺伝子と入れ墨と土佐人〔7023〕2022/07/08
2022年7月8日(金)雨
現代日本人のルーツを話すとき、縄文人系なのか弥生人系なのか、というのが問題になります。そもそも日本列島に広く住んでいた縄文人なのか、朝鮮半島から米作とともに移り住んできた弥生人なのか。
弥生人が縄文人にとって替わった、という訳ではなくて、長い年月をかけて徐々に置き換わったり混血したり、というのが現代では定説になってますね。
で、現代日本人は多かれ少なかれ縄文人と弥生人の混血な訳やけど、どちらの血が濃いかは、お酒が飲めるのか飲めないのか、である程度判別できるとされてるの、知ってましたか?
これは、アセトアルデヒドを分解できる酵素をつくる遺伝子があるかないか、というこのtによるのだそう。分解能力が高い遺伝子がN型で、低い遺伝子がD型。両親からそれぞれ遺伝子を引き継ぐので、ざっくりと言えば、NN型、ND型、NN型の3つのパターンが存在する訳である。
で。NN型はお酒が「たくさん飲める」のに対し、ND型は「そこそこ飲める」タイプであり、DD型は「ほとんど飲めない」のだそう。ざっくり言えばね。
ここからが本題。縄文人は、N型遺伝子を持つ、お酒に強いタイプであり、弥生人にはお酒に弱いD型遺伝子が多いんだって。なので、お酒が飲める人は縄文人比率が高く、飲めない人は弥生人比率が高い、と言える訳だ。ざっくり言えば。
そこで、N型遺伝子とD型遺伝子が日本列島にどんな感じで広がっているのかを見てみると、近畿を中心に中国地方から中部地方、北陸、東海あたりまでは、D型遺伝子が優勢。東北北海道や、南九州はN型が優勢で、関東や四国は、その中間、という地図になってます。
四国はそうやけど、高知はどうなんだろう。
おそらく、他の3県に比べると、N型比率は高いんだろうね。いや、そうでないと説明がつかんではないか。そうに違いない。
そこで気になるのが、南四国最大級の弥生集落であった田村遺跡界隈。そこで暮らしていた弥生人って、どんな人たちだったのか。おそらくは、縄文人をルーツに持ち、水田稲作文化を取り入れながら暮らしてきた人々だったのではないか。移動してきた弥生人ルーツではなく。
今朝の高知新聞一面。
会社の近くの北地遺跡で、入れ墨が描かれた土偶が発見されたという記事。弥生中期のもので、場所は、田村遺跡にも近い。
他県では、弥生期のもので入れ墨が描かれているものがほとんどないのに、ここでは入れ墨。縄文人には入れ墨の習俗があったことがわかっているので、田村遺跡などで暮らしていた人々には、縄文人の雰囲気が漂っていたのではないか、と思うのであります。
縄文人の系譜を引き継ぐ土佐人。その土佐人にはN型遺伝子が多く、それゆえに、僕は昨夜もお酒をたくさん飲んだのでしょうかね。知らんけど。