地震と「なかったこと」〔7005〕2022/06/20
2022年6月20日(月)曇り
昨日は蒸せましたねー。そして、今日から、ちと、降り始めるようです。週間予報見ると、傘のマークが多いし。そんな梅雨空やけど、昨日の能登半島の地震にはびっくりしました。ニュース速報で「震度6弱」という表示には驚かされます。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
あの、能登半島の先っぽ界隈では、このところ群発地震が発生していました。ここに、詳しく書いてますね。元々断層が多い地帯で、2007年に発生した「能登半島地震」は、覚えている方もいるんではないでしょうか。あの能登半島独特の地形は、複雑に絡み合う断層によって形成されたもの、とも言えますきんね。
で、このページ見ると、今回の震源地の地下には2000万年前のカルデラがあり、そのマグマの通り道を利用して高温の水やガスなどの「流体」が上がってくる。その流体が断層面に入ると断層が動きやすくなり、地震を発生させる。どうやらそんなメカニズムらしい。日本列島は、言わずと知れた断層列島なので、様々な地震発生要因を抱え込んでいるのでした。
2007年の「能登半島地震」の際には、「まさか能登半島で地震が起こるとは思わなかった」という声が多かったと言います。ところが、歴史を紐解くと、断層によって引き起こされた地震がたくさん発生している地域であったことがわかっています。これが災害と歴史の難しいところやね。
で、この右側の写真。昨日の高知新聞。元京大総長の尾池和夫先生が「『なかったこと』考」という文章を寄稿されてました。地震学者である尾池先生の、防災に対する忸怩たる思いなどなど、描かれていて興味深ったです。尾池先生は、僕の高校の大先輩。尊敬できる大先輩でございます。以下、少し抜粋。
1974年に「神戸と地震」という冊子をつくり、そこで「活断層」という用語が自治体文書に初めて登場して「壊滅的な被害はまぬがれない」と書かれていたが、その報告書は、。市の行政によって「なかったこと」にされた。
1995年の兵庫県南部地震では、新幹線の六甲トンネル内に地震を引き起こした活断層帯があった為、調査を頼んだが聞き入れられず、修復工事が終わってからどうぞどうぞと言われ、トンネル内の自然現象は「なかったこと」にされた。
京都府内で大規模なダムの建設現場にて活断層が確認され、その視察を府の担当者に提案するも強く拒絶され、活断層の露頭は水没して「なかったこと」になってしまった。
2011年、東日本大震災の際に、政府による原子力発電所の事故調際委員となったが、中央防災会議の地図にあった福島県沖の大地震の予測が「なかったこと」にされており、大津波の予測に関して研究会で行われた議論も翌日に「なかったこと」にされていたのが残念でならなかった。
などなど。
色々と考えさせられる論考です。そう言えば、箱根山や阿蘇山などの巨大火山の可能性について、そんな可能性を議論しても仕方ない、と、そういうものは「ないもの」として考える現状もかなり危険なのではないか、などと考える今日この頃です。
それはともかく、まずは、僕らは目の前を生きていかんといけません。月曜日。さあ、仕事を始めよう!