40年の時空を超えて〔6995〕2022/06/10
2022年6月10日(金)晴れ
そんな訳で、今日は東京。なかなか人の多い東京。これからまた、海外からの観光客さんを受け入れるとのことなので、もっともっと増えてくるんでしょうな。高知からやって来ると、その人の多さに酔うてしまいます。
さて。今朝は、早朝からここへ行ってきました。ここは、中野区上高田。西武新宿線の新井薬師前駅から南へ徒歩5分の住宅地。ここに、僕は住んでました。大学3年生4年生の時ね。なのでもう40年前のこと。そう。40年も経ってしまった。
大学1年生2年生の時に住んでた下宿家は、以前紹介したことあります。その下宿も中野区上高田で、今朝も確認してきたけど、当時のまんま残ってました。「垣根の垣根の曲がり角」を曲がって数十メートル行ったところにある、下宿。今はもう下宿やってる雰囲気はなかったけど、建物は健在。
僕より17歳上の従兄弟が、僕と同じ大学へ通っていた頃にも住んでた下宿なので、なかなか古い。当時既に古かったのに、あれから40年。健在。
で、大学3年4年時に住んでたアパートも、奇跡のように健在でした。この右手の木造モルタル二階建。いやね。このアパートも、当時も既に結構古い建物でした。それがそれから40年。周囲の風景をご覧ください。周囲の建物は、ほとんど全部、変わってしまいました。新しいマンションなどが立ち並んでます。その、新しくて洒落たマンションや住居に挟まれ、そこだけ時間の流れが止まっているかのような昭和の佇まい。
僕が住んでたのは、2階の、向こう側の部屋。今は雨戸が閉まってるので、誰も住んでないみたい。4畳半で、小さな小さな流し台が付いてました。電柱の左側の、茶色い引き戸を開けると狭い沓脱があり、その右手に狭い狭い共同便所。左はすぐに階段になってて、2階へ上がって左手が僕の部屋。懐かしいねー。
1年2年のときに住んでたのはいわゆる「下宿家」で、台所もない、電話は大家さん呼び出しの、当時としてももう珍しい形態でした。今はもう、ない形態。
この3年4年のときのアパートは普通のアパートやけど、こんな感じの四畳半ってのも、今はもう少ないんでしょうねー。ワンルームマンションとかより住みやすいのにね。
東京の、どんどんと変わってゆく、劇的に変化していく風景の中で、時空の歪みのように残されたこの建物は、僕を40年前に引き戻してくれるタイムマシン。
近所の、今はもうない銭湯に通い、帰りがけに居酒屋で「必殺仕事人」を観ながらビールを飲んだあの頃。この玄関脇に置かせてもらった古い自転車で、中野の居酒屋へバイトに通ったあの頃。
新井薬師前駅が最寄駅のくせに、一度も新井薬師さんにお参りしたことないという事実に気付いて、今朝、参詣してきました。つまりあの頃は、地形とか歴史とかにはまったく興味がなかった訳やね。40年という歳月は、趣味や考え方もすっかりと変えてしまいます。
変えてしまったのに、ここだけは変わらないのが、少し嬉しい。