五台山展望台から。今日で見納め。〔6952〕2022/04/28
2022年4月28日(木)晴れ
今日で最後のこの風景。
昨日、高知新聞読んでビックリした人、多かったでしょうね。五台山の展望台、急転直下で本日をもって閉鎖なんだそう。この展開には驚きましたねー。
幾度も書いてきたように、この展望台は、僕らが子供の頃にロープモノレールの山頂駅として建てられました。ロープモノレールは昭和44年開業で昭和53年に廃止。1969年から1978年の9年間だけ営業していました。自走式の丸いやつ。そのロープモノレールの山頂駅「見国停留場」としては、9年間しか営業してないけど、その後、五台山展望台として多くの県民や観光客さんに親しまれ、今はテレビのお天気カメラでもお馴染み。ここから見る高知市の風景ほど、高知市民に親しまれてきた絵柄って、そうそうはないのではないでしょうか。
見国停留場として開業してから、53年。新聞記事にあったように、2015年に耐震不足が判明し、取り壊すことは決まってました。営業していた素敵なお店も閉店したけど、展望台としては、ずうっと使い続けられてきてました。計画では来年度から解体に着手する予定。そこに振って沸いた朝ドラ、牧野博士の話。牧野植物園を有する五台山の注目度が上がり、解体を延期して観光客さんにも楽しんでもらえるようにしよう、という県の役人さんたちの考えが出てくるのは当然でした。
ところが、県議会で、耐震不足がある施設で万が一のことが起きたら誰が責任取るんだ、という話になって、この連休前に閉鎖が決定という流れ。責任論になるとね。もうね。仕方ないですね。正論ですもの。
そもそもこの場所。山頂駅に「見国停留場」という名前が付けられたように、ここは「見国嶺」という眺望の良い場所として有名だったのでした。名所「見国嶺」。けんこくれい。チャートの巨岩が屹立し、その岩の上からは国が見張らせたという、見国嶺。吸江十景のひとつに数えられた見国嶺。そんな絵が、残ってます。
今は展望台になり、そこからは眺望絶佳。ですが、周辺の木々は大きくなり、建物の下からは高知市内は見晴らせません。観光客さんも、ちょっとガッカリ。役人さんたちの気持ちもわかるよね。
そういう流れになったのなら仕方ない。この建物の取り壊しを前倒しし、本年度中に撤去する。その上で、周囲の樹々の伐採も含めて、ここが「見国嶺」であった時代の景観を取り戻す、というプランを妄想してみました。責任論で事業を中止させる力がある県議会なら、それくらいのこと、できそうな気がするけどね。
どちらにしても、この風景を見ることができるのは、今日まで。今朝、4時半。出勤途中に立ち寄って、誰も居ない展望台の上から高知の夜景を撮影してきました。もう、見ることができないこの風景。
53年間、ありがとう!