この橋の向こうに〔6946〕2022/04/22
2022年4月22日(金)晴れ
昨日は降りましたねー。渇水が続く物部川には恵みの雨。とは言え、もう雨も上がって、今朝は晴れてます。
写真は今朝、未明の青柳橋。雨上がりの朝、白い靄が立ち込めて幻想的に美しい風景となっていたので、撮影してきました。
デジカメのシャッターを開放して撮ったら、こんな写真になってしまった。この橋の向こうにあるのは未来の国か、はたまた異次元空間か。みたいな写真。でもこの橋の向こうは五台山。吸江。
浦戸湾にかかる橋、というイメージですが、国交省的には、ここは国分川。なので青柳橋は、国分川に架かる橋。ここに最初の青柳橋が架けられたのが明治5年で、かなり早い時期に必要とされた橋、ということがわかります。まだ、鏡川下流部には天神橋しか架かってなかった時代に架けられた青柳橋。
それは、五台山、吸江と高知の城下の往来がかなり多かったことを示しています。まだ、水運を中心とした往来が多かった時代に架けられた青柳橋。橋の袂に柳の木が植えられてたので青柳橋になった、と聞きます。で、それに対抗して、雁切橋が紅葉橋になった、という話、書いたことありますね。処刑場があったので雁切橋と呼ばれた訳やけど、それではイメージが悪すぎる。青柳橋に対抗して、橋の袂の紅葉にちなんで紅葉橋にしよう、と考えた人がおった、らしいです。知らんけど。
で、青柳橋と五台山。
稲荷町に稲荷新地ができた頃、橋を渡った吸江方面にも新地ができていたそうですね。この湾岸、今とは随分と違う華やかな風景が広がっていたのでした。
この橋の向こう、五台山のてっぺんには、名刹竹林寺。そして高知県立牧野植物園。来年の朝ドラ主人公が牧野富太郎さん、ということで、全国から多くの観光客さんが訪れることが予想される、五台山。既に、増えてきてるらしいね。いや、朝ドラ効果はなかなかのもの。
そして、問題になっているのは、あの展望台ね。昔、ロープモノレールの山頂駅「見国停留場」として建てられた、あの建物。素晴らしい見晴して、高知市民にはお馴染みどころではないあの展望台は、耐震強度不足とかで、解体されることが決まってます。で、2階にあったカフェも閉店しました。まだ屋上へ階段で上がることは可能で素晴らしい景観はまだ見れる訳やけど、観光客の増加を見越して、どうするか、と県議会とかで問題になっているんだそう。
取り敢えず解体は延期して、展望台として活用しよう、という意見がある訳ですが、耐震をどうするか問題とか階段の天井が低い問題とか、いろいろあってなかなか難しいみたいね。
五台山へ行って、あの展望台の眺望が見れんというのももったいない気もするしねー。
耐震か。それ言うたら、桂浜の龍馬像の横の仮説足場から龍馬の顔に近づくというやつは、どうなるんだろう。地震が来たら危険な自然地形の観光地はどうなるんだろう。などと考えが止まらんなりますな。
まあ、人類、大自然と折り合いをつけながら生きてきた訳で、どっかで折り合いをつけていくしかないのでありましょう。
見晴し、ということで言えば、いろんな所にある展望台が、周辺の樹々が大きくなって見晴しが悪くなってます。人工的展望施設をつくるのもいいけど、大自然との折り合いを考えたら、自然地形を利用して樹々の整理をする、というのも、これからの社会の方向性として、いいのではないか、と思ったりもします。
樹々が大きくなって見晴しが悪くなっている山は、それこそ、山ほどありますきに。