物部川〔6902〕2022/03/09
2022年3月9日(水)晴れ
今朝の高知新聞。
このにっこりひまわりでは、幾度となく触れてきた物部川の長期濁水問題が、解決に向かって一歩踏み出した、という記事。時間かかったけど、やっとという感じやけど、動き始めて、取り敢えずは良かった良かった。見出しは「物部川 全流域で土砂管理を」。つまり、従来の、森林関係者と河川関係者に加え、土砂管理の専門家などを加えて「関係者全員の連携」により、根本的解決を目指す、というもの。そう。つまり、みんなで考えてみんなでやらんと、根本的解決はできん、ということ。
で、早急にやらんといかんのは、「山からの土砂流出の抑制」「各ダム連携による濁水の早期排出」「ダムへの土砂流入の抑制」「小石の積極的な供給」「気候変動を考慮した対応」「源流から海までの関係者が連携」などなどとされてますね。まあ、当たり前っちゃあ当たり前の、総合的理想を語っただけやけども、それを具体化していく一歩が踏み出せたのは、大きい。
手元の、昭和61年発行「高知県地名大辞典」で、「物部川」の項目を読んでみると、こんなことも書かれてます。「昭和32年完成の永瀬ダムや杉田ダム・吉野ダムがあり、電源開発、下流域への灌漑用水の供給を行うほか、洪水調節の役目も果たしており、下流側への土砂の供給も減少した。」
この「下流側への土砂の供給も減少」が、今となっては色々と問題を孕んでおることが表面化してきた訳やね。土砂が、下流へ流れずにダム湖に堆積して、ダムの貯水量を減らし、洪水調節機能を低下させてしまう。そして、どの土砂が、幾度も書いてきたように長期濁水をもたらして、鮎漁などに打撃を与えてきた、近年の歴史。
なので、必要なのは、土砂の流入抑制と、土砂の排出。
人間がしでかしたことなので、人間が解決せんといかん訳です。
物部川は、こんな感じで直線的に流れる川。これみたらわかるように、秩父帯と四万十帯の間、仏像構造線に沿って流れてます。そして河岸段丘が発達し、縄文時代から流域に人々が暮らしてきた河川。
下流域には扇状地が発達して香長平野を形成し、そこでも太古の昔から人々が暮らしてきた河川。ひょっとしたら、高知では、人間に最も経済的恵みをもたらしてきた川かも、知れませんねー。
その、恵みの川を、人間の手で痛めてしまった訳で、それを修復するのは、人間の義務でもある訳で、この記事は、とても重要なことが始まったことを知らせる鐘だったりも、するのであります。