砥部衝上断層〔6754〕2021/10/12
2021年10月12日(火)晴れ!
雨も上がって、風景が輝いてます。昨夜は、松山に泊まってました。松山に泊まるなんて、いつ以来やろう。コロナで出張も控えていたので、本当に久々。昨日は松山で、有意義な仕事をこなして来ました。リモートもいいけど、リアルでないとできないことも、ある。それは、事実だということ、実感しましたねー。
写真は、松山から帰りがけに立ち寄った砥部の衝上断層。国道33号線から数分で行ける、とても有名で貴重な地層の露出ですね。
なんせ、松山市内を走る路線バスに、「砥部断層口」行きのがあるから、松山市民なら、砥部に断層がある、ということはみんな知ってると思いますね。行ったことなくても、みんな知ってる砥部断層。昭和13年に、国の天然記念物に指定されている、日本のジオ物件としても古くから有名な断層やね。
今は公園になってて、早朝から多くの方が散歩に訪れてました。秋が深まると、紅葉も美しい、らしい。
で、この衝上断層がいかにすごいものなのか、ということを書いた説明板は、あります。しかし、書いてることが難しい。いまひとつ、すごさがわからない。しかも、どうやら最新の知見が反映されてないみたい。説明板では、こうなってます。この、滝みたいになっている黒っぽい部分は、新しい地層で、砂岩。その左の赤土みたいに見えるのが最も新しい火成岩で、その左が古い、6000万年以上昔の頁岩。
でも、あの赤土みたいに見える部分は、研究により、三波川変性帯の結晶片岩が変質したもの、ということが解ってます。徳島城石垣とか、吉野川中流域とかでお馴染みの三波川結晶片岩。となると、古い。で、単に衝上断層の運動だけでできたものでなく、途中に正断層の動きも見受けられて結構複雑なのであります。
そんな訳で、僕にはなかなか説明できんけど、最新の知見をもとに、子供たちにもわかりやすい説明板が立てられることを期待したい。愛媛県なら、やってくれると思います。
ここが断層で、滝みたいになっているのは、ここで地層が上下にズレてこんなになっている、みたいに理解してしまいがちやけど、成り立ちはもっと複雑なのでした。断層による破砕で脆くなったのが、下側。脆いから、侵食されやすくて、滝みたいになった。
もうひとつ。説明板には、この右側の穴を「かめ穴」としか書いてません。これは、たぶん、川底の少し脆い部分が侵食され、そこに入り込んだ礫が水流で転がって丸い穴をつくっていったものだと思います。そんな説明も、書いて欲しいねー。愛媛県なら、きっとやってくれると思います。
まあ、成り立ちの説明と地学的価値はさておいても、なかなか美しい渓流の風景。紅葉の頃にも来てみたいねー。