外来生物と生態系〔6637〕2021/06/17
2021年6月17日(木)晴れ!
良いお天気。明日からずうっと雨の週間予報なので、この晴れたお天気を楽しんでおきたい。
ここは高須。秋になると一面の広大なコスモス畑になる場所。今は稲が成長してきて緑の絨毯。日に日に、緑が濃くなっていく季節。
で、妙に今年って、ヒメジョオンだかハルジオンだか、多くないですか?
例年この季節になると目立つ白い花やけど、今年はまた特に多いみたいな気がします。気のせいかも知れません。
ヒメジョオンとハルジオンの見分け方は、こんなページに書いてます。こも高須のは、どっちでしょうかね。ようは知らんけど、日本では「雑草」扱いだし、「要注意外来生物」でもあります。ヒメジョオンが日本に上陸したのは1865年だって。幕末。ハルジオンは1920年代らしいので少し後やけど、どちらも、今では「雑草」扱いで「要注意外来生物」。
昭和天皇は「この世には雑草という名前の植物はない」と喝破されましたが、日本では、この植物の繁茂によって生態系が破壊されているとして「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されていたり、します。セイタカアワダチソウとかアカミミガメとかセイヨウタンポポとか、日本の在来種を駆逐していく外来種、というイメージは強い。外人の方が身体が大きくて強そうなので、生物も外来種の方が、たおやかな日本酒よりも強い、みたいなイメージは、間違ってます。生物の世界では、どっちもどっち。
例えばクズ。クズの葉っぱは、日本でも繁殖力が強くで、辺り一面を覆ってしまうけど、日本原産。今や、アメリカとかでもどんどんと繁殖して「侵略的外来種」になってます。
僕らに馴染みの深いもので言えば、イタドリ。これは、まずイギリスで広がって在来種を駆逐し、アメリカでも猛威を振るう「侵略的外来種」になっている、らしい。ここは高知県人、そのおいしい食べ方を世界に広めて、嫌われ者から脱皮させる手伝いをするべきではなかろうか。高知では、道端でイタドリが生えてくるのを見かけても、翌日行くともう、誰かが採ってってますきんね。
ひまわり文庫今月の新刊でご紹介した「家は生態系」。これには、様々な衝撃的なこと、書かれてます。例えばゴキブリ。アメリカのチャバネゴキブリは、これもアメリカにとっては外来種やけどもアッと言う間に広がったのでした。チャバネゴキブリは、人間にアレルギー反応を起こさせたりするので、厄介。
1948年、殺虫剤のクロルデンが初めて使用され、その殺傷力は最強で、無敵の殺虫剤と言われました。ところが1951年にはクロルデンへの抵抗性を身につけたゴキブリが見つかり、その他の殺虫剤が開発されてもすぐ、耐性を獲得して広がって、文字通りゴキブリのような生命力を人類に見せつけております。
それと同じようなことが植物にもあって、このハルジオンのウィキにもあるように、1980年代に除草剤に耐性のあるハルジオンが出現して、それから一気に全国に広がった、とされてます。
さて。
なかなか可憐で、この季節の風景を彩る植物やけども、在来種を駆逐していくのは、困る。
実は昔、大学で野草を食べるサークル「なべの会」に所属してたとき、ヒメジョオンだったかハルジオンだったかを調理して食べたこと、あります。少しアクがあるけど、まあまあ。この際、ヒメジョオンの天ぷらとか、ハルジオンのお浸しとか、みんなで食べるようにしたらどうだろうか。
北アメリカ原産なので、ひょっとしたら北アメリカの先住民には、これを上手に食べる風習があるかも知れんよね。日本原産のイタドリを食用として重宝する高知県人が居るみたいに。