静かな浦戸湾と賑やかな浦戸湾〔6619〕2021/05/30
2021年5月30日(日)晴れ
梅雨やけど、土日が晴れているというのはちょっと嬉しい。今日も今日とて良いお天気。タチアオイがキレイな季節になりました。アジサイも、ボチボチやね。いや、立葵に紫陽花と書いた方が、いいね。
ここは棒堤の先っぽ。九反田から東へ、中の島を東へ行った行き止まり。以前の地図を見ると「棒堤」と書いてます。その先っぽから浦戸湾を撮影してみました。きれいやねー。眼前に浮かぶ丸山台。左手には弘化台。
きれいやけど、今朝は、航行している船は1隻も、なし。静かな静かな浦戸湾。いつからこんな浦戸湾になったのだろうか。そんなこと、考えてみました。
大正期、昭和初期とかの絵葉書見ると、この浦戸湾にたくさんの帆傘船が浮かび、家族連れが釣りを楽しんでいる風景が広がっています。今日みたいに晴れた日曜日だと、それはそれはたくさん、小舟が浮かんでいた浦戸湾。
みんな、気軽に小舟に乗って往来していたのは、ついこないだまでのこと。還暦を迎えた僕の感覚ではね。
丸山台の料理屋さんと稲荷新地の間にも小舟が往来し、屋形船も浮かぶ浦戸湾。小舟や屋形船は、この棒堤をまわって堀川へと入っていき、九反田まで遡上していました。いや、堀川は新堀川やはりまや橋、堀詰までつながっており、小舟はそこまで往来していた高知の城下。
いつから、僕らは海から離れてしまったのだろう。県営渡船に乗る「非日常」でワクワクしたりするようになったのはいつ頃からなんだろう。
母の実家があった浦戸に遊びに行くと、浦戸から種崎への渡し船に乗って、種崎へ泳ぎに行ったりしてました。焼玉エンジンの小さな小さなポンポン船。巡航船は桟橋まで運航してたけど、乗ったことはありませんでした。
かつての巡航船はこの北側の稲荷新地や、堀川を遡った農人町まで走ってました。たくさんの乗客を乗せて。
車社会になり、海が庶民の足ではなくなって、巡航船もなくなり、海は静かに。
しかし、これからの町は、再び海とともにあるといいと思っています。普通に、市民の足として使われる「浦戸湾」。わざわざ、非日常を体験しに船に乗りに行くのではなく、日常の移動手段として気軽に舟に乗る。
そんな日が訪れるのを、心待ちにしています。
浦戸湾の遊覧船が「遊覧」だけではなく「移動手段」になったとき、それが始まると思っています。昔のように、九反田で、船に乗降できるようにするだけで、それは始まります。
静かな浦戸湾もうつくしいけど、賑やかな浦戸湾の方が、いい。